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2024.01/21 大馬鹿モン(2)

専務の言われたかったことは、実車による耐久試験が終わらなければタイヤの形をしていても、タイヤという商品ではない、という品質の考え方である。


科学的にゴムの耐久寿命を導くことができない以上、これは正しいまともな見解である。今でもゴムや樹脂の破壊でさえ、科学の形式知が出来上がっていないので、非破壊検査さえも金属やセラミックスのようにまともにできない。


ゆえに、専務の当時の説教は40年以上経た今でも正しいのである。そこには、ダイハツで問題となった定まった社内試験を勝手にスキップするようなことは許されない理由も述べられていた。


すなわち、科学的に正しいと思われても、ゴムや樹脂の破壊について形式知そのものが出来上がっていないので、科学的に完璧な破壊という現象の評価法を作り上げることはできず、製品の品質を保証するためには、市場における経験から築き上げられた体系の中で評価を進めざるを得ない。


その時、科学的に正しいと思われる簡素化された他の評価法が見つかったとしても、市場の中でその評価法の検証がなされない限り、それを採用することはできない、という現物現場主義の考え方である。


このような考え方は大学で学ばなかった。科学は現象の一部しか説明していない、という考え方は大変新鮮だっただけでなく、科学と技術の相違や品質の考え方について分かりやすい説明だった。


科学で説明できない現象の起こる可能性がある以上、品質の信頼性を上げるために実車でn数を稼ぐ実験を行わなければならず、そこで科学の姿勢と同じ「何故」と問うことは良いが、科学で出した答えに満足してはいけない。


それは現物現場主義のどろくさい考え方だった。ところが研究所に配属されて、この考え方を正しいと信じ研究開発を進めていたら軽蔑されたのである。



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