2025.02/10 オブジェクト指向(10)
会社の仕事をやるために部下に80万円の1年ローン(月給10万円の時代である。オプションの無いカローラDXが1台買えた)を命じた主任研究員は今なら大問題となるだろう。
当方は保証人の欄に印が押された時に、指導社員とともにびっくりしたが、「頑張りなさい」と言われて、何も言えなかった。頑張るしかなかった時代の話である。
今から思えば、データサイエンス黎明期に勉強する環境ができて良かった、というよりもこのようなことが無ければデータサイエンスを必死に研究しなかっただろう。1年間生活費にも困ったのである。勉強する以外日々の癒しは不可能だった。
日本を代表する一流企業に通いながら、時々親に仕送りをしていただいていた。しかし、その時の苦労が、電気粘性流体のいかがわしいテーマをひっくり返す結果を一晩で出すことができ、報われたと思った。
夜自宅で一晩徹夜して、界面活性剤の解析とグラフ、報告のためのレポートを作成していた。翌朝出社して、300種類の界面活性剤を添加した電気粘性流体を観察したところ、データサイエンスで解析した結果と一致していた。
すぐに主任研究員に報告したところ、界面活性剤ではない、第三成分といえ、と言われた。理由は界面活性剤では問題解決できないと結論したので、これは第三成分だというのだ。頭が良いというかずるいというか、釈然としない説明だが、いかがわしいテーマを担当するよりも良い、と判断し受け入れた。
同時に、電気粘性流体用粒子のアイデアを話したところ、面白いから企画書にまとめよ、と言われたので、U本部長時代と同様に企画書ではなく、傾斜機能粉体や超微粒子分散微粒子、コンデンサー分散微粒子を合成し、データとともに提出している。その後いかがわしい事件が起きるようになったのだが。
カテゴリー : 一般
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