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2026.05/27 AIと社会

巨人軍阿部監督の一件は、AIと社会の関係を示す今様の不運だろう。子供の喧嘩で止めに入って長女を叱った、叱られた長女(18)はChatGPTに相談し、その指示に従って、児童相談所へ電話した。児童相談所は、18歳未満の対応はできるが、相談者が18歳以上だったので、親切に警察を紹介した。警察は、現行犯逮捕し、3時間後には、拘留もせず釈放している。


おそらく警察は最初から釈放するつもりで逮捕に踏み切ったのだろう。逮捕から釈放までの時間が短すぎる。おそらく現場の状況から、父親の身柄を何とかすればよい、と適切に判断したように思われる。


以上はニュースに書かれた事象からまとめたものである。児童相談所にしろ警察にしろ、後に問題が起きない適切な対応をしているが、阿部前監督は前科一犯となり監督辞任というあまりにも大きな社会的制裁を受けている。


子供への暴力は、そのくらい罪が重い、と評論家のように言ってしまえばそれまでだが、ChatGPTの答えに従った娘の電話一本で彼の人生の歯車は大きく狂った。


過去の親子関係が不明なので、という論調があるが、子による親殺しの事件があるにせよ親の人生を台なしにしたいと恨む子は少ない。今回は子の年齢から父親が職を失ったら自分の人生にも影響が出る。


ここで気になるのは、ChatGPTに相談し、ChatGPTのハルシネーションを起こしていたかもしれない回答で娘が行動を起こしている点である。もし、正しいプロンプトが提示されたならば、まず母親に相談することをAIは勧めたと思う。


両親と折り合いが悪くても、母と娘ならば父と娘より理解できる関係とAIならば判断しただろう。鉄腕アトムでそのようなシーンがあった。また、当方の転職について見解をChatGPTに聞くと、プロンプトの設計により様々に変わる。その変化から、ChatGPTにとってプロンプトまでも動作に必要なデータであることがわかる。


そもそも、わが身含めて人生の問題をAIに相談しようという心の動きに悲しさを感じる。当方はAIの動作を研究するために実験しているのだが、常にだれか一人相談できる人間を身近に置くよう指導しなければいけない時代かもしれない。


社会は、独身ではリスクが高くなる方向へ変化している。配偶者がなぜ必要なのかは、人間という生物の精神活動からも問われなければいけない。


順風満帆の人生でも、ちょっとしたことで人生の歯車は予期せぬ方向へ回りだす。当方はゴム会社を転職することなど考えてもいなかった。入社1年目で始末書を書くことになるとも思っていなかった。何を書いたら良いのか分からないまま、オブジェクト指向で上司に始末書について相談している。


それが今役立っているのは、必死で歯車を幸運の方向へ回そうと努力しているからである。また、転職について配偶者に相談している。幸運の方向を共有する相手と歯車を回せば、一人で回すよりもリスクは下がる。


自分の人生をChatGPTの答えにゆだねたことがきっかけで起きた今回の騒動は、プロ野球ファンでなくても、あまりにも悲しい。AIの回答がプロンプトにより左右されることや、プロンプトによりハルシネーションを起こしやすくなることを知識として身に着けてAIと接触しなければ、今回のような予期せぬ社会問題を引き起こす。

カテゴリー : 一般

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