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2025.02/28 高分子の添加剤

身の回りに使用されている高分子材料には、用途により異なる様々な添加剤が添加されている。例えば燃えにくさを要求される部品には難燃剤が添加されその機能性を発揮できるように高分子は変性されている。


帯電防止が要求される部品には、導電性の添加剤や界面活性剤が添加され、屋外で暴露されて使用される部品には、紫外線防止剤やその他劣化防止剤などが添加されている。


しかし、高分子材料の難燃性向上や帯電防止の目的以外の添加剤について正しくその機能が明らかにされている添加剤は少ない。すなわち、その機能性が不明のまま添加されている薬剤がある。


これはゴム会社に入社して混練の指導を受けたときに教えられた。ゆえに配合設計するときにこれだけの薬剤は必ず添加するように、という具合である。


人間の疲労回復材なら理解もできるが、高分子材料にその機能性が不明な添加剤を添加しなければいけない、というのは、科学の時代に不思議なことである。


そこで、いつか劣化防止剤も老化防止剤も何も添加せずに樹脂設計をやってみようと思い続けて30年、写真会社でそのチャンスがおとづれた。PETボトルのリサイクル材を80%含む樹脂には、5種類の高分子廃材を添加している以外何も余分なものを添加していない。


この5種類の高分子廃材は、当時勤務していた事業所から出る廃材をPETの射出成型性を改良するために添加した。添加量の上限を20%とし、その配合量の最適化をデータ駆動で実施している。


今時のAIと同じ手法で開発したのだが、それから15年、窓際にその樹脂を置いて観察してきたが劣化しない。これは大変面白いことである。ご興味のあるかたはお問い合わせください。

カテゴリー : 一般

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