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2025.03/01 人間関係

昨日ゴム会社の同期から、同期丸山君の訃報を頂いた。ゴム会社には12年勤務し転職しているので、いわゆるゴム会社の社友会からの連絡はない。今回の訃報は、彼が高純度SiC半導体治工具事業を担当した化工品事業本部長だったので、同期が知らせてくださったのだろう。


ところで、ゴム会社の高純度SiCの半導体治工具事業を住友金属工業(当時)とのJVとして立ち上げたのは、浦川取締役(当時)で、もう研究ではないのだから、と両社の契約書に社長印を頂いてくださった。


それまで研究所内でこのテーマは迷走したが、浦川取締役となり無機材質研究所との半導体治工具用高純度粉末として改めて無機材質研究所との共同研究をたちあげ反応速度論の発表(注)を日本化学会で行って軌道に乗り始めた。


その後このテーマ担当は小生一人となり、製造した高純度SiCの粉体を営業することになった。その過程で無機材質研究所猪股先生のご紹介があり住友金属工業小嶋氏と出会っている。


その小嶋氏からは、現在難しい局面にあるUSスチールに関わる見解を賀状として頂き、現在もお元気なことを確認でき、嬉しかった。


この方のおかげでJVとして当方の転職後も事業が順調に立ち上がっていったのだが、ご紹介くださった猪股先生も、またご契約の時の浦川取締役も昨年お亡くなりになられた。このお二人の訃報はご家族の方から頂いている。


余談だが無機材質研究所との関係はドタバタ喜劇から始まっている。当方がアメリカ留学のお話を頂いたときには日本中にセラミックスフィーバーが吹き荒れ、服部社長(当時)がファインセラミックスとメカトロニクス、電池を3本柱にして化工品事業をゴム会社の売り上げ50%にするというビジョンを出された。そして社名からタイヤを外している。


セラミックスフィーバーは、日本初による材料の世界的イノベーションで、これに驚いたアメリカのクリントン大統領(当時)は、ナノテクノロジーと高分子に関わるバイオケミストリーのナショナルプロジェクトを大統領令として発令し立ち上げている。


当方は、セラミックスフィーバーの中心素材の一つSiCが高純度化されるとSiにかわるウェハーを製造できることに着眼し、無機材質研究所への留学を希望した。


この時、当時の上司は、当方をどうしても人事部へ送りたいという理由で、アメリカ留学を無機材質研究所留学に切り替える努力をしてくださった。


この上司については、80万円のローンを組みパソコンを買わされた体験はじめ3年間いろいろあって相談していた友人から2年前訃報の連絡を受けご葬儀に参列している。


ローンの問題だけでなく、サービス残業や本来なら宿泊出張とすべきところを日帰りで通い睡眠が4時間切るような地獄のような日々、思い出せばとんでもない上司だったが、無機材質研究所への修正に関しては、なぜか当方の意見を100%受け入れてくださった。友人とは酒を飲みながら笑い話としてこの経緯を肴にしている。


この友人からは6年前お亡くなりになられた元斎藤部長の葬儀の連絡も受けており、その時にはその友人と一緒に葬儀に参列している。この斎藤部長は、FDを壊されたりその他もろもろの事件が起き、新入社員含め3人が転職した時の高純度SiC事業を当方から引き継がれた管理職である。


某界面活性剤や化粧品で有名な企業からゴム会社へ転職された方で、それもあって、当方とは少し複雑な人間関係だった。写真会社へ転職後もこの方の依頼で高純度SiC業務の指導を行っている。


諸事情あって、友人は一緒に葬儀に同行してくださったのだが、葬儀にはゴム会社のOBも多数参列されたので友人の存在はありがたかった。小生が転職後在職中に脳梗塞を患われ、それが影響し早世されたのだが転職した当方としては申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


そもそも高純度SiCのスタート時にファインセラミックス研究所が東京工場の片隅に建設されたのだが、この建屋の起工式の日に伊良子部長(当時)が胃癌で倒れられ、竣工式の日にお亡くなりになるような出来事があった。


この方の7回忌まで参列したが、7回忌の時には研究所で一人で高純度SiCのテーマを担当するような状態であることをご報告している辛い法事だった。その直後小嶋氏と出会っているので不思議な思いがある。


同期からの訃報で、これまで高純度SiCに関わられお亡くなりになった方々を思い出した。高純度SiCの半導体治工具事業は、現在愛知県にある(株)MARUWAで事業継承されているが、一つの事業が立ち上がりそれが独り立ちするまでに多数の人がそれぞれの思いで関わる。


一方で、大企業では、異業種を立ち上げようと社長が方針を出されてもそれに応えようとしない研究所組織がある。応えないだけでなく、提案が生まれてもつぶそうとする反対勢力がいる。


命が狙われ転職しているが、日本でアメリカのようなベンチャーが大企業で生まれにくい原因のような気がしている。半沢直樹のTVドラマがヒットしていることから想像できるように大企業病は多く存在するのだろう。


大きな事業に限らず、事業が立ち上がるまで様々な人間関係が生まれるのは、事業が単に個人の利益のためだけではない証左だろう。その大切さを共有化できるので皆がその思いを受け継ぎ立ち上がってゆく。


一方で、このような人間関係の反対勢力が生まれるのは、大企業には人材が多く、その中には私心で出世のみを考える輩がいるためではないか。日産とホンダの提携話でもそれが見え隠れしたのでやりきれない。日産は社長はじめ役員だけの会社ではない。日産が倒産してもそれを受け入れるゆとりは、もうないのだ。


(注)この論文が某大学の先生がファーストネームとなり勝手に提出されたのは、この経緯からも許されないことだと思う。この先生は、研究や事業に全く関わっていない。学位論文の下書きを見せたところ勝手にそこから自分の研究として論文を書いている。当方は、抗議のためその大学で学位を取ることを辞退し、中部大学で審査を受けている。

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