2025.04/23 高分子の成形体
高分子材料でできたフィルムや無端ベルトは、押出成形で製造される。また、PETボトルはブロー成形で、樹脂製の箱などは射出成形で製造される。
その他、溶媒に高分子材料を溶解させて成形後、乾燥させる溶媒キャスト成膜や水に分散したラテックスを基材に塗布する方法など、高分子材料の加工方法はいろいろある。
セラミックスも同様にスリップキャストや射出成形、ホットプレス、CIP,HIP、ろくろを使用する方法など様々であるが、高分子材料ほど多くはない。
高分子材料からセラミックスまでそのほとんどの加工方法を経験して思うのは、高分子材料の加工がセラミックスよりも難易度が高い、ということである。
高温度で行うセラミックス加工の方がエネルギーも消費し、難易度が高いように見えるが、成形体の品質を同定しやすく、何がどのようにできているのか評価しやすい。
ところが、高分子材料では、ウェルドさえも表面から見えなければその状態が不明である。それを知りたければ、成形体を破壊して調べる必要がある。
セラミックスでも破壊して検査しなければいけない項目もあるが、非破壊検査による成形体の品質管理で市場クレームを防ぐことが可能である。しかし、高分子材料ではそれが難しいのだ。
例えば、成形体の密度について、高分子材料ではセラミックスのそれより10倍ばらつく。このような簡単なことでも無頓着な技術者が多く、時々密度ばらつきで起きたかもしれない品質問題がニュースになっていたりする。
カテゴリー : 一般
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