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2025.05/28 Pythonを実装

技術の第一線で活躍されている意識の高い技術者は、もうPythonをさくさくと活用されているかもしれないが、コンピューターの黎明期に見られたように、その効用が見えにくいので、全く無視されているケースも多いのではないか。


そして、科学的な一因子実験を今でも行い、開発時間が長くなってもその原因が開発者にあるなどという気づきが無いのかもしれない。


コンピューターの黎明期に、上司がOA委員長になった。上司は成果が出たら投資する、と言って、パソコンの購入を渋り、コンピューターが一台もない状態で、OA化の検討をせよと命じてきた。


ようするに、エアOAを実施して、効果の高い業務が出てきたらパソコンを購入しようと考えたのである。また、パソコンがソフトウェアで動作していることなど知らなかったので、ソフトウェアーが大変高価である説明も大変である。


パソコンの無い状態で、ソフトウェアーをOA委員で作ればよい、と命じてきたのである。どこでかじった知識なのか知らないが、英語論文が書ければプログラムなど簡単だろうと言っていた。


幸いなことに、シャープはMZ80Kというクリーンコンピューターを発売し、FDOSはじめ周辺のソフトウェアーを安価に提供していた。


しかし、安価といってもそれを利用するためには本体より高価なフロッピーディスク装置を購入しなければならず、それを接続するインターフェースもFDOSより高価という状況だった。


1セット80万円という見積書とローン契約書を提示したところ、保証人の欄に上司が印を押してくれて、独身寮の片隅にOA検討用のパソコン一式が置かれた。


その結果、OA検討委員会の仕事は、独身寮で行うことになり、毎日過重労働にサービス残業という凄まじい労働環境で仕事をすることになった。


この記憶は40年以上前の出来事であっても忘れることはない。また、その原因となったのは、花王のコンピューター部門の部長が書いた一冊の本である。


経営者にパソコンの重要性を啓蒙する目的は実現されていたが、どのようにパソコンを職場に導入すればよいのか、そもそもパソコンとは具体的にどのようなものなのかは、その本に書かれていなかった。


ゆえに、パソコンを知らない人がその本を読むと、16万円でパソコンを購入すれば、簡単に職場のOA化を実現できると誤解したのである。少し頭が回転すると、どこをOA化するのが良いか見つけるだけでよい、と錯覚する。


そもそもパソコンという道具が何に使えるのか分からない時代だったので、どこに使ったらよいのか見つけるのが重要、というその時代に正しい発想だった。


Pythonについては、これまで何度もブームがあり、Python登場から30年以上経っても先端コンピューター言語として君臨しているが、必ずしも使いやすい言語ではない。


プログラミングという観点に立てば、C#のほうが圧倒的に使いやすい。ゆえに、Pythonについても当時と同様の考え違いが生まれる可能性がある。


しかし、低コストでやりたいことを実現するという観点に立つとPythonが一番のコンピューター言語である。JAVAはWEBプログラミングで使いやすい言語であるが、日々の仕事ではPythonで仕事のやり方まで変わる。


数行で重回帰分析のコードを書けてしまう、と説明すれば、その便利さをご理解いただけるのではないか。また、タグチメソッドの解析プログラムであれば、弊社の開発したプログラムをつかうと、Pythonコードで書かれた解析プログラムが出てくる。


データを打ち込むだけでタグチメソッドの解析プログラムだけでなく、それを動作させればグラフまで出てくる手軽さである。


このβ版を弊社のセミナー受講の方に無料で配布しています。お問い合わせください。手軽にPythonの勉強から始めたい、と考えておられる方は、「Pythonで理解するタグチメソッド」というセミナーがお勧めです。「タグチメソッドで理解するPython」という学び方もできる内容です。


Pythonを技術者が実装すれば、仕事のやり方がDXに対応するように変革され、データの解析時間が短縮されるだけでなく、現象の見方まで変わる。フロントローディングなど当たり前となり、労働時間も減少しワークライフバランスがさらに進む。


ここまで書くと怪しくなるが、本当である。昔、花王のコンピューター部門の部長に直接お会いしたが、著書からはうかがい知ることのできない、誠実真摯な方だった。

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