活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2025.06/05 減価償却というワード

小泉大臣が米を減価償却で安く出すと言ったことが今回の米騒動で話題になっているが、この減価償却というワードを単なる誤りと捉えた人は、これから起きるイノベーションを想像できないと思う。


今回の米騒動は、米の需給バランスが絶妙にとれたことで起きている。すなわち、売り渋りで価格操作しやすくなったのである。


それでは、米以外で需給バランスがとれている場合にもそれが起きるのかというと、そうではないことは、経済学を知らなくても理解できる。日本の業者により需給バランスがとれていて誰かが売り渋れば、すぐに外国勢が押し寄せて市場を奪うようなことが起きる。


しかし、例えば輸入関税が300円以上もかけられていたり、米の販売には規制が多かったので、簡単に価格が上がってしまった。自動車のような減価償却する商品ではなかったからでもある。


しかし、今回小泉大臣が行ったように、古米を簡単に減価償却価格で市場に出すようなことが常態化すれば、仮に需給バランスがとれている状況でもおいそれと業者は出し渋りをやって価格を吊り上げることができなくなる。


ここで問題は、お米は生産するために1年かかるので、業者の中には今回の備蓄米が無くなるまで待とうと考える輩がでてくるかもしれない。


この考え方は、米を減価償却で、と言った小泉大臣の頭の中を読めていない。トランプ関税で自動車業界が大変な騒ぎになっている。備蓄米をカリフォルニア米で賄い、トランプと取引する考えがあるに違いない。


海外から自由にコメを輸入するというと、すぐに農政族が騒ぎ出すが、備蓄米に限定すれば、納得するだろう。米の価格が高騰すれば、備蓄米を減価償却の考え方で放出する、そしてカリフォルニア米その他輸入米で備蓄米を補給する体制にしておけば、無制限に供給できるようになる。


それでは、国内産のだぶついた米はどうなるか。おそらく、不良在庫として業者は抱えないだろうから、表示を偽ったりして品質の悪いコメを売るようなことを始めるに違いない。


今後米は産地ではなく、取扱業者がブランド価値を持つようになる可能性がある。すなわち、信用の無い取扱業者の米は価格が下がるか、市場から追い出されるかするだろう。これが米を減価償却と表現したイノベーションの姿かもしれない。


JAは一大ブランドとなるが、今回アイリスオオヤマや楽天は金をかけずに、米の取扱業者としてのブランドを持つに至った。これから、米のサプライチェーンイノベーションが起きる。今回の騒動で魚沼産のコシヒカリでなくてもおいしいお米のあることを知った人は多いかもしれない。

/

(注)本日立憲民主党原口議員が、5kg83円という数値を出して、備蓄米の価格設定がおかしい、と言い出した。5kg83円という数値の出所が不明であり、原口議員は時々疑問符のつくようなことを言われているので特にここでまないたに載せないが、小泉大臣は減価償却の価格で計算すると明快に説明しているのだ。備蓄米は国民の税金で運営されているシステムであり、その価格設定が問題となることを以前この欄で説明している。買取価格を基準に一律減価償却の価格で処理する限り、問題は出ないはずである。原口議員は問題を明確にすべきである。数値の根拠もまだ示されていないので、今回もただ騒いでいるだけかもしれない。立憲民主党はこのような議員が多い。

カテゴリー : 一般

pagetop