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2024.10/15 中国の再生材に関する国際会議(3)

しかし、問題が無いわけではない。賀氏の講演で、2019年に一連の新しい法律や規制が施行されたことにより、適格企業の急速な増加と、それに伴いスクラップ量の急速な増加が起きていることが紹介された。


その結果、自動車リサイクル業界の規模が急速に拡大し収益も増大しているのだが、廃車業界には、高いリサイクルコスト、高い解体コスト、低い販売利益などの問題が内在している。


リサイクル・解体事業者間の熾烈な競争と技術革新が不十分なため、適格企業の存続が厳しくなっている。輸出禁止政策をとりはじめた国際情勢も業界に変化をもたらしており、それに対応する国内政策で今後廃車業界が発展し、健全な廃車産業チェーンが構築されるだろうと説明があった。


但し、他の講演者から、EV車の解体・資源処分産業はまだ大規模な市場を形成しておらず、リサイクルや解体の技能が不十分で開発の余地があることが指摘された。


そして、帯電酸素制御粉砕技術、電磁誘導酸素制御温度制御熱分解技術、効率的な乾燥粉末ストリッピングおよび選別技術によるリチウム電池のリサイクルおよび選別プロセスが紹介され、サプライチェーンの構築とともに今後の課題が提示された。


 再生材として、プラスチックに限れば、現在主流の物理的リサイクルは低コストで推進しやすいが、リサイクル後の価値が低いので、プラスチックリサイクル技術の展開方向として高付加価値化が必要という見解を多くの講演者が指摘していた。


 これに応えるように仇(Qiu)氏の講演では、再生プラスチックの特徴をデザインとして活かしてゆく提案がなされていた。そして、再生プラスチックを積極的に取り組みブランド戦略として推進している例を紹介していた。


 また、フォーラムの最後にロジテック社の技術責任者が登壇し、環境問題に対する企業の姿勢と将来への展望が語られたが、製品の大半に再生材が使用されているとの説明には驚いた。まだ、ここまで再生材を製品に導入できている企業は日本に少ないのではないか。

カテゴリー : 一般

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