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2017.03/30 高分子材料(56)

リン系難燃剤の一種であるリン酸エステルは、可塑剤としても使用される。可塑剤の応用された製品の身近な例として、塩化ビニルいわゆる塩ビがある。

 

塩ビ製品には固い樹脂から革のような柔らかいものまで存在する。この柔らかい塩ビにはリン酸エステル系化合物が5%以上添加されている場合がある。添加量は柔らかさの仕様を満たすために必要とされる量である。

 

主に難燃性が要求されるシートでは、10%程度添加されている製品もあるが、ブリードアウトがしばしば問題になったりする。

 

ブリードアウトについては他で説明しているので省略するが、触ったときにべたべたする感触の現象である。塩ビとSP値が適合していないリン酸エステルを用いると必ず発生する。

 

樹脂を柔らかくするために用いるのが可塑剤であるが、樹脂に低分子の有機物を数%添加すると必ずこのような可塑化効果が現れる。それでは可塑化効果を出したくないときにはどうするか。

 

可塑化効果は出したくないが、樹脂の機能を高めたい、このようなニーズを満たすためには添加剤の分子設計が重要になってくる。

カテゴリー : 高分子

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