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2017.05/02 強相関ソフトマテリアル

強相関マテリアルから強相関ソフトマテリアルという言葉が生まれている。この言葉を初めて聞いたのは、21世紀初めに推進された国研「精密制御高分子プロジェクト」の説明会場である。

 

すなわち高分子物性が高分子の高次構造と相関することに着目したコンセプトである。ペロブスカイトはじめセラミックスでは、その物質構造から物性との強相関性が分かりやすい。

 

しかし、高分子ではやや言葉遊びのようなところがあるのでアカデミアでは強相関ソフトマテリアルという言葉を嫌う先生もおられるようだ。しかし、この言葉のもつ概念は技術開発に活用できる。

 

たまたま退職の半年前にリサイクルPETボトルを用いた材料開発を担当したが、一発花火のつもりでこの概念で材料開発を進めてみた。そのプロセスは極めて非科学的であるが、強相関ソフトマテリアルのコンセプトに忠実に物性の強相関性を求めて開発を進めた。

 

その結果、廃材PETを80%以上含み難燃剤を添加せずにUL94を通過する難燃レベルの材料を退職一か月前に開発することができ、無事新製品に搭載することができた。強相関ソフトマテリアルという概念に科学的価値があるかどうかは知らないが、技術開発には便利な概念である。

カテゴリー : 高分子

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