2026.05/02 研究開発プロセス(14)
研究開発で事業化に失敗する原因について、市場調査も含めた企画段階にある、と一般に言われるが、本当か。ゴム会社では世界初のLi二次電池の量産化に成功し、日本化学会技術賞を受賞したが、受賞後すぐに事業を撤退している。
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他社とのJVで立ち上げたこの事業は、現在の状況を見れば研究開発を継続し勝つこともできたのではないかと思われる。ホスファゼンによる電解質の不燃化など当時として最先端の技術成果を出していた。
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それゆえ、ポリアニリンを正極に用いた電池では、コンデンサーに毛が生えた程度の性能しか出せないのでセラミックス正極の二次電池が登場する前に撤退した、と自慢していた研究者がいた。
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当時高純度SiCの事業を立ち上げることができず、当方が苦しんでいた時である。ホスファゼン電解質だけでなくセラミックス正極を提案しても、その採用が却下されている。これらのテーマが採用されておれば、当方は一息できてその後電気粘性流体を手伝う必要も無かっただろう。
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当時を思い出すと、なぜポリアニリンLi二次電池の事業化がOKになったのか疑問がわく。セラミックスの正極を用いた二次電池よりもはるかに性能が低かったことは、研究開発の途中で明らかにされている。
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ゆえに事業化判断を誤ったテーマとなるのだが、不思議である。この体験があったので、高価格レーザープリンター用中間転写ベルトの量産試作では、過去に低価格プリンターで実用化された実績との関係に疑問を持った。
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詳細を省くが、部長Aは、技術を甘く考えたのか、あるいはポリアニリンLi二次電池同様に経営を騙したのかどちらかだろう。しかし、騙したのであれば、量産試作段階で過去実績の70%という目標を設定している資料を理解できない。
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多くの状況から、技術を甘くとらえた可能性が浮かんでくる。そのように考察すると、デザインレビューにおけるデータを信用できない可能性が出てくる。すなわち、チャンピオンデータだけで報告書をまとめている可能性がある。
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量産を前提とした研究開発段階の実験では、生データがどのような分布をしていたか、どのような因子により分布が制御されたのか、すなわちそのロバストとそれを制御できる因子が重要になる。
カテゴリー : 一般
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