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2026.07/31 特許の実施例

特許の実施例を多変量解析にかけると面白い。本来正しく実験が行われた実施例と、そうではない実施例とが浮かび上がる。特許は権利書なので、後者でも問題にされないが、科学文献と見たときに笑える。

うまく書けているように見えても、矛盾を抱えている発明が多い。すなわち、クレームに左右されて、実施例を組み立てているケースではそれが起こる。

一方、おもわず絶句するほど完璧な実施例もあるので特許解析は面白い。iPS細胞の最初の論文では、どのように作り出したのか問われた時に、特許出願中なので答えられない、と山中博士は査読者に応えたそうだ。

まさか、あみだくじ方式で見出した、などと応えられなかったのだろう。特許は技術の権利書なので、再現性さえあれば、何でも許される。また、権利化された特許の実施例を実施して再現できない場合も存在する。それは、再現実験を行った技術者にスキルが無い場合である。

30年以上前の話だが、特公昭35-6616という小西六工業の発明がある。この発明から30年近く経って、コニカでこの実施例を実験して、再現できなかった技術者がいた。当方は丁寧に実施例を読み解き、発明に書かれたグラフと同じグラフを書くことに成功している。

パーコレーション転移という悩ましい現象が関わった技術なので、このようなことが起きる。当方は、この特許に書かれていなかった因子を改めて発明の構成に組み立て、特許出願するとともに、誰が実施しても再現できる技術として完成している。日本化学工業協会から技術特別賞を頂いた。

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