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2017.09/07 昨日の補足

科学の方法で、界面活性剤が関わる問題を解くときにHLB値というパラメータが使われる。このHLB値とは、界面活性剤が親水基と疎水基と呼ばれる構造をもった分子であると仮定し、その比率を表している値である。

 

この時、問題となる現象を表す特性値を縦軸にして、HLB値を横軸にとり、その相関を考察し、界面活性剤の特徴が現象をどのように制御しているのか論じたりする。

 

そもそも界面活性剤とは、親水基と疎水基を持った分子の総称なので、この議論をすべての領域のHLB値で行えば、すべてのHLB値の界面活性剤で議論したことになる、と勘違いする。

 

これは同じHLB値でも異なる界面活性効果を持つ界面活性剤が存在した場合の条件を見落としている。ところが、教科書にはこのことが書かれていないし、公開されている2000年までの論文でも、この点を扱った研究は極めて少ない。さらに大学の先生の中にはこのことを御存じない方もいらっしゃる。

 

仮にこのことを心配し、化学構造が明確に分かっている界面活性剤を集めてきて、HLB値の議論を進めたとしても、得られた結果は、界面活性剤のHLB値というパラメーターについて現象を議論したに過ぎない。電気粘性流体の増粘問題を研究したメンバーもさすがにこの点も心配し、HLB値以外の特性についても収集した界面活性剤について、実験を行い、問題となる現象との関係を調べている。

 

科学的に厳密にHLB値以外のパラメーターについて配慮したにもかかわらず、なぜ問題解決できる界面活性剤を見つけられなかったのか。その原因は、研究するために集められた界面活性剤のサンプル群に問題がある。研究における議論を厳密にできるように、構造が既知の界面活性剤だけを集めたからである。その結果、当方が見つけた問題解決可能な界面活性剤の群を見落としたのである。

 

 

カテゴリー : 一般

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