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2012.08/17 科学の無い時代の思考

マッハ力学史には科学の無い時代の思考方法が紹介されています。

例えば万有引力の法則を発見したニュートンの思考実験。

 

マッハはニュートンの思考実験を非科学的と認めつつも新しいアイデアを生み出すのに有効な方法としてアインシュタインに紹介しています。そして、紹介されたアインシュタインも非科学的と思いつつそれを用いて相対性理論を生み出しています。

 

思考実験をどのように行えば良いのか?残念ながらマッハ力学史には思考実験の有効な進め方が書かれていません。弊社で販売中の研究開発必勝法プログラムでは、K0チャートとK1チャートを用いて思考実験のシナリオ作成を行います。これは、私自身30年間研究開発の現場で行ってきた方法で、TRIZやUSITのように科学的ではありませんが新しいアイデアを出すには有効な方法と思っています。この方法を用いて、フローリーハギンスの理論では非相溶系で均一にならないとされる高分子の組み合わせでも、均一に混合できる混練技術を開発しています。すでにコニカミノルタから特許が公開されていますが、PPSと6ナイロンの組み合わせで透明な樹脂液が混練機から出てきたときには感激しました。現代の科学の視点では非科学的成果ですが、哲学者イムレラカトシュの言葉「現代の科学で完璧にできるのは否定証明だけである」という名言を思うとき、新しいアイデアは科学的制約の中では生まれにくいように思います。科学的制約を離れ、目の前の現象の観察を注意深く行い自由な発想を進めることこそ重要と思います。PPSと6ナイロンの相溶化技術はそこから生まれた非科学的成果です。

カテゴリー : 一般

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