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2020.02/29 ホームズとコロンボ(1)

ホームズとコロンボは事件解決にあたり、異なる手法をとる。ホームズはまずベーカー街にある事務所で犯人について仮説を立案してから事件解決にあたる。

 

小説ではワトソンとの軽妙な対話からホームズの鋭い頭の回転を描き出す。

 

難事件の場合に仮説が間違っていたと気がつくと、ベーカー街の事務所に戻り、最初の仮説に基づき集めた証拠情報をもとにワトソンと再度仮説を練り直す。

 

まさに、現代論理学が完成し科学が誕生した時代に書かれた優れた小説と今でも称えられる、納得できる展開である。

 

しかし、この小説を読んでどれだけの人が科学の方法が抱える問題に気がついているだろうか。

 

ホームズは、最後に犯人逮捕に成功するのでむしろ科学の優位性に感心し、科学的問題解決法こそ人類の獲得した唯一の問題解決法と妄信的に信奉している人が多いかもしれない。

 

ゆえに、ホームズの文庫本の最初のページに犯人を落書きをすることはタブーとされたりした。犯人は誰かを考えることがこの小説の面白さだからである。

 

小説を楽しむ場合にはこれでよい。しかし、部下が実務をこなすときにこのように行っていたなら、管理職はいらいらしなければいけないのに、管理職までもホームズになってしまうことに満足していないか。

 

実務ではその問題解決の前に誰かが犯人をホワイトボードに書いて議論を始めなければいけない。

カテゴリー : 一般

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