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2020.03/09 ホームズとコロンボ(3)

ホームズとコロンボ、この二人は異なるパラダイムで犯人逮捕を行っていることに気がつくと、問題解決をいつでも科学的に行っていては効率が悪いと理解できる。

なぜなら、ホームズの小説では読み終わる時間を必ずしも一定にできないがコロンボではきちんと90分でドラマが終わる。

だから、実務の問題ではホームズのパラダイムではなくコロンボのパラダイムに合理性がある。これは冗談で書いているわけではなく、事実そうなのだ。

人は考えるときに推論を展開する。これは人類が登場してから日々の生活で少なからず行ってきた営みで、人が人であることを示すアイデンティティーの一つである。

「人間は考える葦である」という名言を誰が言ったかは忘れたが、「考える」時には推論を展開している。

人が異性に恋しているときにも推論を展開しており、時には肉体に推論の様子が現れたりする。そして悩み小説が生まれてきた。

この時、推論には向きがあることに気がつくはずだ。異性に向かう推論と自分に向ける推論だ。

一般の問題解決で言えば、問題からその解決策である結論に向かう前向きの推論と、結論から問題に向けて展開する逆向きの推論と二つある。

方向が定まっていない場合は推論ではなく単なる夢想だ。恋愛を単なる夢想で終わっていると結婚できないように、問題解決でも問題とそのゴールである解決策を明確に決めない場合には、すなわち夢想していては問題解決できない。

ホームズでもコロンボでも事件と犯人という二つのターミナルが存在し、犯人をゴールと捉えると、ホームズのパラダイムでは、前向きに推論を展開してゆくことを特徴としているといえる。

これに対し、コロンボでは常に犯人周辺の情報を集め事件との関係を考えているから逆向きに推論を進めていると言ってもよい。

カテゴリー : 一般

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