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2021.11/26 高分子材料のツボ(11)

合成高分子は、モノマーを重合しモノマーがひも状につながったポリマーとして活用されている。ゆえに多数の組み紐を手の中で揉んでぐちゃぐちゃにし、放り投げてできた構造に近い、として話をしている。


しかし、合成高分子は大半が結晶性高分子なので、このモデルでは高分子の結晶である球晶をうまく表現できないので、そこは妄想で補ってほしい、と話を進めている。


また、モノマーが重合してできたひも状のポリマー1本の構造を一次構造と呼び、これが集まった構造を高次構造と呼ぶ呼び方が昔から行われてきた。


一次構造からいきなり高次構造まで飛躍するのでわけがわからなくなるが、昔の研究者は、二次構造とか三次構造とか研究で見つかった時のことを考えて、高次構造と呼んだのだろう。


ところが、昔の人の忖度は外れ、今高分子の研究者は、階層的に構造をとらえて研究し、中間の領域をメソフェーズと言ったりしている。こうした言葉の氾濫が、高分子を難しくしている。


また、モノマーが重合してポリマーになるので紐の長さは正規分布となるはずだ。これを触媒などうまく制御し、様々な分布の制御が最近はできるようになったが、ポリマーが様々な紐の長さの集合体になるということを知っておくべきである。これを多分散系と呼んだりしている。


有機化合物を眺めたときに、低分子では分子量が異なると異なる分子として区別する。例えば天然の有機化合物では同じ構造が二つのものや3つのものなどが存在しているが、これは皆区別する。この観点に立つと、高分子は多成分系とみなすことができる。


すなわち、高分子は多成分系であり多分散系の性質をもち、一次構造から高次構造まで存在する。そして、樹脂は高次構造として球晶と自由体積、非晶質相の3つの構造が必ずできる。射出成形体の物性がばらつくのはこうした言葉の説明からでも十分に理解できる現象である。

カテゴリー : 一般 高分子

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