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2022.03/08 ゴム屋と樹脂屋(3)

新入社員のテーマとして、当時最先端の樹脂補強ゴムを用いた防振ゴム用コンパウンドの開発をバンバリーとロール混練で行っている。


樹脂が海相でゴムが島相となったコンパウンドであるが、現在二軸混練機で動的加硫により製造される熱可塑性エラストマーとは圧縮永久歪や耐久性の点で大きな性能差が出るゴムを製造できる。


また、指導社員の指導で当方が開発し実用化されたコンパウンドは、ロール混練の条件でも物性が変化した極めて混練の難易度の高いコンパウンドである。


プロセス依存性の大きい難解なコンパウンドであったが、混練条件さえ再現できれば、樹脂とゴムの複合材料でありながら、圧縮永久歪が小さく耐久性の高い高性能ゴムを製造できた。


研究開発段階でバンバリーとロール混練プロセスを用いていたので、実用化の障壁は低く容易だった。久しぶりの研究所のアウトプットとなったが、なぜか開発グループは解散となった。


人生で本格的に混練を勉強したのは、この開発を担当した3か月間だけである。しかし、指導社員が熱心な方で、毎朝9時から12時まで混練の座学を行い、午後開発実務というスケジュールを組んでくださった。


3か月間ダッシュポットとバネのモデルと格闘しながら剪断流動と伸長流動の特徴はじめカオス混合まで習得できた。今レオロジーをダッシュポットとバネで説明されなくなったが、技術的ツールと捉えると現象理解には便利に使える。

カテゴリー : 一般 高分子

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