2022.04/02 PETの成形(1)
PETは結晶化速度が遅く、射出成形に不向きなためフィルムやブロー成型、インフレーション成形用に使用されてきた。
フィルム用途では一軸延伸や二軸延伸により結晶化を行い、それなりの腰のあるフィルムを提供できるので、印刷用写真フィルムやレントゲン写真用フィルムとして使われてきた。
最近PETを射出成形に使用したいという希望が増えている。PETは射出成形しにくいが、結晶化速度を速める添加剤を添加すれば、狭いオペレーションウィンドウながらそれなりの射出成形体が得られる。
10年ほど前に結晶化速度を速める添加剤を用いずに良好な射出成形体を得ることに成功し、電子写真用部品として実用化された。
PETボトルのリサイクル材を用いた技術で、退職後に社長賞を受賞した、と言うことで記念品のPETボトルを1ダース送られてきたのでびっくりするとともに当方のことに気遣ってくれたメンバーに感謝した。
高純度SiCの事業化ではこのような良い思い出は無いが、写真会社の早期退職では、退職日が2011年3月11日であった不運が引っ掛かる思い出だが、FDを壊されるという人為的な災害ではないのでPETボトル1ダースを受け取った時には涙が出てきた。
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