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2014.08/27 混練

混練とは「混ぜる」ことと「練る」ことをおこなうプロセスである。「混ぜる」ことは日常の行動で、例えばカードゲームやマージャン、料理などで経験し、直感的に理解できる。「練る」ことについては、意外と日常意識しなければ行っていない。

 

汚い話で恐縮だが、昔子供は青い鼻水を垂らしていた。なぜ今の子は透明な鼻水で昔の子供が青かったのか知らないが、その汚い鼻水で遊んでいる子もいた。戦後10年と少ししか経過していない名古屋のはずれには、まだ大空襲の傷跡が残っており、今のように遊びが豊富では無かった。

 

子供が遊びを創り出さなければいけない時代でもあった。鼻水も遊びの道具であったが、その遊びが始まると当方は気持ち悪いから家に逃げ帰った。ネバネバを練るプロセスを見ると子供の頃のトラウマであまり気持ちの良い感じがしない。納豆も食べられるようになったのは結婚してからである。

 

トラウマとなっていたプロセスが当方の仕事として重要なスキルの一つになっているのだから人生はわからない。気持ち悪くても目を背けず真正面から取り組まなくてはならない苦痛。ゴム練りを最初に体験したときには地獄であった。やや緑色をしていたアロマ油は、特に気持ち悪かった。

 

そんな経験から「混ぜる」と「練る」には大きな違いがあり、混練技術に接する前から興味があった。「混ぜて」いるだけなら性状の変化は少ないが、「練っていると」物質の状態が大きく変化する場合があるのだ。青い鼻水は粘度が増し付着したときに拭き取るとコーティングされたような跡が残った。子供心に単なる水と異なる現象について不思議に思った。

 

混練の教科書を読むと分配混合と分散混合の話が出てくる。混練プロセスをモデルで説明するための概念だが、これは混練の理解を誤った方に導くような気がする。混合により分散が進む場合の説明ならば良いかもしれないが、「練り」の部分をこのモデルでは説明していない。

 

カテゴリー : 一般 高分子

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