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2014.09/17 高分子の難燃化技術(1)

 

過去に何度も書いているが、高分子の難燃化技術もゴム会社で学んだスキルである。入社1年後にホスファゼン変性ポリウレタンフォームを半年で試作まで行い、新入社社員でありながら始末書を書くことになった仕事で、始末書を書くにあたり恥ずかしくない内容にしたいと思いこの分野の技術の実情を猛勉強した。

 

市販されていない難燃剤を用いて開発を進めたのが、その始末書を書くことになった原因である。しかし、この始末書のおかげで、燃焼時のエネルギーでガラスを生成し、難燃化する技術を開発することができた。

 

この始末書に反省の証として低コストの難燃化技術を開発する、と書いたのだ。余分なことを書くな、と上司に叱られたが、そもそも新入社員である当方に始末書を書かせる管理職もすごい、という陰の声があったので、ひるまずに始末書をそのまま提出した。

 

この始末書がどのような扱いになったのか知らないが、罰として納期が決められ半年で新しい難燃化システムを開発するようにというありがたい指示が上司から出た。期待に応えて、半年後に試作を成功させ商品化できた。

 

この時完成した新規の難燃化システムはホウ酸エステルとリン酸エステルを組み合わせる難燃化技術である。ホウ酸エステルは市販されていなかったが、ホウ酸とジエタノールアミンとを撹拌するだけで合成できたので、工場の隅に簡単な反応釜を設置するだけで実用化できた。コストは300円/kg以下だったように記憶している。

 

 

カテゴリー : 一般 高分子

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