不倫スキャンダルで年内の活動停止処分を受けた瀬戸選手は、不倫をしたとはいえ、かわいそうである。スポンサー企業に逃げられ、それだけでなく傷ついたイメージは、彼の将来得られたであろう水泳選手として未曽有の収入を失った。
これで、東京オリンピックで金メダルを取れなかったならば、ただの水泳の泳ぎのうまい不倫男というレッテルしか残らない。不倫は文化だ、と言い放った石田氏のような不倫で自己の経済価値を生み出すキャラクターとは思えない。
石田氏は、コロナ禍の真っ最中にコロナ陽性コンパニオン女性と濃厚接触しコロナ陽性となって一躍注目を浴びた。これを週刊誌は不倫とは騒がず、コロナ感染者として大々的に扱ったのである。
彼以外にもコロナ感染した芸能人は多くいたが、彼は破格な扱いで記事にされた。彼にとって不倫は名刺のような位置づけになっているのかもしれない。
しかし、瀬戸選手が彼のような名刺で家族を抱えこれからの長い人生を生きていけるとは考えられない。彼の強みは水泳なのだ。社会の中の泳ぎについて石田氏のようにうまくは見えない。
オリンピックは参加することに意義がある、といったのはクーベルタンであるが、まさにそこに参加できる選手は健全な人類の代表として認められた人であり、参加することは選手にとって栄誉でもある。
ここで問題となるのが多くの健全な人類が、不倫を健全な行為として認めていないことだ。日本社会に限って言えば、違法行為ではない、とわざわざ断る人がいるぐらい反社会的行為に思われている。
ただし、不倫とはその後の行動で違法性が問われる行いなのだ。石田氏は女性から訴えられてもよさそうなのに裁判の話題を聞かない。瀬戸選手は今回の不倫で訴訟を起こされないよう最大限の努力を東京オリンピックまでにしなければならない。
ところで、石田氏の不倫は文化という定義にはあきれたが、今回の瀬戸選手の不倫で失った代償の大きさには驚愕した。多くの日本人の夢さえも粉砕したのだ。
現代においてオリンピアンとは、「オリンピック競技大会における日本代表選手」各個人の栄誉ではないことを同じく水泳の千葉すず選手の「メダル****」発言で多くの国民は覚醒した。
おそらく代表選手にしてみれば、彼女同様にとんでもないことに感じている人がいるかもしれないが、オリンピアンがJOCのホームページに書かれているような単なる代表選手ではなくなっていることを自覚しなければ、生きてゆくのもつらい時代になった。
今回の瀬戸選手の不倫は瀬戸選手の問題だけではない。国民の税金を活かしていないJOCの問題でもある。
オリンピアンの意味を選手に十分教育していなかったことが引き起こした、と考えられるので、報道されていないがその責任は重いと考えている。
かつて、立小便ができなくなることを理由に国民栄誉賞を辞退した野球選手が話題になったが、彼は多くの国民が持つイメージと異なる自己の野球選手のイメージあるいは価値を守りたかったのだろう。これはこれで、奇妙な感動を覚えたニュースだった。
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高分子材料技術に必要となる形式知を説明することは難しい。大変幅広い知識分野が対象となるからだ。
例えば、ポリウレタン発泡体の技術者であれば、リアクティブブレンドを理解するために高分子反応の形式知が要求される。しかし、これだけでは不十分で、界面活性剤の知識と界面化学の知識が必要だ。
さらに反応が進行してゆくときには、レオロジーの知識が無ければ現象の把握が表面的になる。発泡体の評価には、材料力学の知識も要求される。
さらに、セル状態と強度の関係を考察するときには、破壊力学の知識が要求され、時には有限要素法の知識を引っ張り出してきて、セルの変形状態から破壊に至るまで考察する必要があるかもしれない。
ゴム会社でポリウレタン発泡体やフェノール樹脂発泡体の開発を担当した時に大変だったのは、大学で無機材料の知識と有機反応の知識は大量に詰め込んでいたが、その他について無いに等しかったので、毎日夜遅くまで勉強していたことである。
しかし、この勉強の成果、特に界面化学の形式知については、写真会社に転職しても十分生かすことができただけでなく、界面化学が必要な分野の企業でも十分に業務で成果を出せるほどだった。
酸化第二スズゾルの帯電防止層開発では、無機材料の形式知とこの界面化学の形式知が活用されて日本化学工業協会から賞を頂くことができた。
また、高靭性ゼラチンを開発した時にもこれらの形式知と経験知が生かされ、写真学会からも賞を頂けた。
高分子材料技術に必要な知識は、無機材料技術よりも幅広く、またその深さも時には求められるので、大学までの勉強では不十分である。弊社では、必要最小限の知識を高分子のツボとしてまとめ、セミナーで活用している。
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金属やセラミックスなどの無機材料開発では、結晶の理解が重要で同時に相図を理解していなければ、日々の開発業務で成果のレベルを上げることが難しい。
ところが高分子材料については、無機材料と異なり、「これ」を理解していなければ、という形式知の分野は無いのかもしれない。
ゴム会社で高純度SiCの事業を立ち上げ、無機材料の開発が技術者としてのキャリアとなったが、志半ばで写真会社に転職し、高分子材料技術者としての道を歩き始めた。
そして歩きながら感じたのは、無機材料開発と比較した時の難易度の高さだ。これは専門外だから難しいと感じたわけではない。
無機材料開発では、ある程度お決まりの手順が存在し、とりあえず獲得する必要のある形式知を身に着けておけば、現象の理解ができる。
しかし、高分子材料開発は、無機材料開発と少し勝手が異なる。お決まりの手順が無いのだ。これをお決まりの手順で開発を進めているといつしか新しい材料開発ができなくなる。
例えばゴムの配合開発では、お決まりの手順があるように見える。新入社員の3か月間、レオロジーの神様のような指導社員のご指導を受けたのだが、お決まりの手順とそうでない方法を指導された。
指導社員はお決まりの手順を説明しながら、この方法で新しい技術ができる、と言っている間は一人前ではない、と指導してくれた。そして現象観察に基づく臨機応変の開発ができなければ、新材料の創出は難しい、と。
無機材料技術者よりも高分子材料技術者としてのキャリアが長くなり、高分子材料技術者としてカオス混合技術を開発できた。
そしてつくづく思うのは、高分子材料技術者として一人前になるためには、かなり広範囲の「知」の蓄積が必要だということである。
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おそらく教育現場の先生は気がつかれているかもしれないが、プログラミング教育では、これまで科学一辺倒だった教育方針を大きく変える必要がある。
あるいは、従来の科学と非科学の境界線を大きく変更するようなイノベーションを教育現場で起こす必要がある。もしここに気がついていない教育者は、プログラミング教育の本質を理解されていない。
かつて、音楽や美術、技術家庭科という科目にその期待をすることができたが、この分野の先生には失礼だが、科学を理解されていない方もおられたので、指導要領では情操に力点が置かれていた。
音楽や美術にもプログラミング教育の要素は含まれている。音楽鑑賞や美術鑑賞では、科学教育を活かせるが、作曲したり、絵をかいたり、彫刻を創ったりするときには、科学教育の範囲を逸脱した教育方針が必要だった。
しかし、そこに気がつかず、芸術科目として教育がなされてきた。絵や彫刻が不得意だった人もプログラミングを学ぶとその能力が飛躍的に改善されるはずだ。
例えば、彫刻が得意でも今は3Dプリンターを使えば複雑形状を容易に創造できる。ただそのためには、3Dプリンターを動かす知識が必要である。
ただパラメーターを入れるだけであるが、どのような形状にするのかを考えなければ入力パラメータを決めることができない。このとき科学的に形状を考え出すには無理がある。
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無料セミナーでプログラミング教育を取り上げたら参加者がいるだろうか。今年から小中学校でプログラミング教育が始まったのだが、教育現場で芳しい結果が出ていないらしい。
一部の知人の情報を一般化したのでは頑張っている先生に申し訳ないが、プログラミング教育がうまくいくと、シナジーで数学の成績が上がるはずである。
当方は社会人になってから、BASICにC、C++,C#,JAVAと日曜プログラマーとして活動してきた。ゴム会社時代には、実験室のOA化に取り組んできた。
写真会社ではシミュレーションやタグチメソッドのプログラムを作成したりした。プログラミングに関する勉強も趣味の領域を超えて現在も取り組み中である。
学校の指導要領を読んでみて、面白い教育のアイデアが浮かんだ。現在それを煮詰めている最中であるが、もし本欄の読者で、小中学生の子弟がおられるならば無料セミナーをリクエストしていただきたい。
もしリクエストがあれば、来年4月開校を目指して1年間の教育プログラムを開発したいと思っている。開講は来年になるが、このようなセミナーのご希望があれば弊社へ問い合わせていただきたい。
対象を社会人ではなく、小学校高学年から高校生レベルを考えている。理由は、プログラミング教育のシナジーを活かして数学の成績向上を狙う目的がある。
毎年大学入試が終わると、数学の入試問題を眺めているのだが、最近の数学入試問題は、昔のような奇抜な問題が出ない代わりに問題がよく練られているような出題がある。
このような問題では、プログラミング教育のシナジーを活かしやすい。昔もプログラミング教育を受けていると簡単に解ける大学入試問題があった。そこに気がついたのは、プログラミングを趣味として始めたころである。
また、ドラッカーを高校生の時代より読み続けてきても気がつかなかったのだが、ドラッカーの著書が問題解決の指南書に見えたのもプログラミングを始めてからである。
科学的に問題を考える、といっても実は非科学的な要素を用いなければ問題を解くときに難解になる。プログラミングを学ぶとこのようなことに開眼する。
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10月19日に問題解決の無料セミナーを予定している。2時間なので、アイデアの出し方についてテーマを絞っている。
テキストは2時間以上の内容となっているので今まとめなおしているが、これがなかなか大変である。
演習などは省くことになるので、少しわかりにくいかもしれない。本来ならば最低でも1日かけるセミナーで、コーチング手法も含めれば3日コースとなる。
PPAPでできます、という説明では笑われるかもしれない。このPPAPについても本来ならば1時間ぐらい説明したい。そこをピコ太郎の歌で理解してください、といった程度の説明にしないと2時間に圧縮できないので苦労している。
昔、講演は時間の2倍の原稿を作ってそれを半分に圧縮するとよい講演ができる、と指導されたことがあるが、これはケースによるだろう。
圧縮したためにわかりにくくなり、講演の価値を低めたりする可能性がある。無料セミナーと言っても手を抜かないのが弊社の姿勢である。
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来週開催予定の無料セミナーについて。高分子の難燃化セミナーでは、概論を簡単に説明し、データ駆動型実験により難燃剤無添加で開発されたUL94-V2合格環境対応樹脂について解説予定である。
マテアリアルインフォマティクスが最近流行している。AIを使って材料開発、というといかにも今時の手法に見えるが、多変量解析の活用やタグチメソッドもこの手法の一つであり、多変量解析であれば1970年代より開発に活用されてきた。
当方が初めて多変量解析で研究成果を出したのは、タイヤの軽量化技術であり、タイヤメーカー20社の同一サイズのタイヤデータを主成分分析にかけ、各社の特徴を明確にし、さらに主成分得点などを活用し、予測される最軽量の重量見積もりやその時の構造の特徴を明らかにしている。
当時はマイコンが登場したばかりでインテルの8088やザイログのZ80評価キットが販売されていた。
また、シャープはZ80搭載パソコンの発売を開始したが、搭載メモリーは全部で48Kバイトであり、それで多変量解析を行うならばF-DOSのセットが必要だった。
当方はパソコンではなくIBMの大型コンピューター3033付属の統計パッケージを使用して成果を出している。
ゴム会社には大型コンピューターが2台あり、1台は先進のPOS用であり、1台は技術者に開放されていた。
しかし、データを入力すればすぐに結果が出るわけでなく、新入社員のデータは計算処理が後回しにされることが多く、翌日に計算結果を見ることもあった。
多変量解析の有用性について社会人スタートの時に理解することができたのは幸運だった。科学で不明確となりそうな開発では、データ駆動の実験に切り替えて成果を出すことができた。
これが科学が命よりも大切に思っているような研究者には、腹が立つような手法に見えたのかFDを壊されるような研究の妨害(隠蔽化の動きがあり、転職の決断をしている)を受けている。今はアカデミアが率先してそれをやろうというのだから時代の進歩だろう。
イムレラカトシュは、科学と非科学の境界は曖昧であり、時代によりそれは変わる、という名言を残している。これは名言であり、弊社の問題解決法のよりどころでもある。
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学術会議と中国との関係について話題になり始めたが、学術会議はアカデミアの中国協力に関して実態を明らかにする義務があるのではないか。
そして、戦争に協力しているかどうかをその実態から判断し、国民に明らかにすべきだろう。
何でもかんでも中国と協業あるいは協力することは軍事協力とみなす、という最近出てきた論法は、これまで中国に協力してきた企業も含めすべて悪である、という結論を目指しているようなものだ。
少し前まで、民間の中国協力から国家による中国協力まで奨励されていた。そして、軍事協力に抵触する問題は、それが軍事転用されたときの影響から判断されてきた。
日本における技術開発や研究もすべてそのような判断基準になっているはずだ。そうでなければ、軍事に無関係な技術など極めて限られてくる。ありとあらゆる技術を間接的に軍事と結びつけることが可能だ。
あるいは、世界の工場と揶揄される中国の実態は、世界中の企業が、中国の軍事産業に協力している、という結論を導くことになる。
今日本の優秀な研究者や技術者で全く中国とは研究していません、という人は少ないはずだ。日本では評価されるが世界では評価されていない研究者ぐらいかもしれない。働く環境や待遇も含め、平和目的ならば国際協力は奨励さえされてきた。
それが今米中関係が怪しくなってきて、平和目的の協力さえも軍事協力と批判されるようになってきた。
当方も蘇州にあるナノテクのメッカ、ナノポリスで技術アドバイザーとして活動してきたが、これは日本の補助金のいくつかに応募しても落選し続けたカオス混合技術に関して技術開発を進める目的があった。
日本では評価されない技術開発を行うために平和目的の協力である。そして開発成果は、セミナー会社から招聘される技術セミナーで公開してきた。高分子学会からも講演依頼を受けたときには躊躇せず講演している。
また、某日本企業の製品開発のお手伝いをさせていただき、最新の開発成果を実用化している。特許を検索していただけば弊社の活動の一部を見ることができ、それだけでも十分に日本企業に貢献していることを理解していただける。
これらの成果について、日本政府からお金をもらっているわけではなく、弊社の活動資金だけで開発した成果を日本企業に提供しているのである。
ただ、米中関係がおかしくなって、この中国の仕事を今年度からは辞退している。タイミングよくコロナ騒動が起き、活動そのものも円満に終えることができた。
カオス混合技術が軍事転用されたときの影響は、一般の民生機器が軍事で使われるような程度の影響と捉えている。小生はその特殊な設計技術を公開していない。おまけに日本では評価されていなかったという理由で、ほとんど無害な技術という評価となる。
ただ、学術会議の対中国協力の問題は、当方の高分子技術に関する中国企業指導とは少し性質が異なってくる。日本政府から国民の税金で優遇されている先生たちが勝手に中国へ協力していたなら、それは大問題だろう。
日本で評価もされず金ももらっていない当方でさえも中国で成果を上げたことを日本に還元するように努力している。無料セミナーなどもその一環であるが、国家から優遇されている先生方は、当方の姿勢を見習っていただきたい。
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ポリエチルシリケートとフェノール樹脂をリアクティブブレンドにより、分子レベルで均一に混合された前駆体の合成を1982年に成功した。これを用いて、世界で初めて成功した、経済的な高純度SiC合成実験では、電気炉の暴走が重要な役割を果たしている。
すなわち、最初の実験で設定された電気炉のプログラムで実現される温度条件では、未反応のシリカやカーボンが残存していたことが後日の実験で示されたからである。
最初の実験であったことや、その電気炉が納入されたばかりの新品であったことなどから、電気炉の扱いに手慣れた主任研究員の方が、実験条件のプログラムを電気炉に設定してくださった。
当方は、ただサンプルを電気炉にセットしただけで、運転開始もその主任研究員の方が操作された。しかし、SiC化の反応が生じる温度に達した瞬間に電気炉が暴走し始めた。この欄で以前この詳細について述べている。
この結果、高純度SiCの合成に成功したわけだが、暴走という現象が安全上の問題として研究所で検討された。またそれが納入されたばかりの電気炉という理由で、検収作業の疑義の問題にまで及んだ。
すぐに、安全委員会による調査が行われたが、異常が見つからなかっただけでなく、科学的に全く同じ動作で電気炉を運転しても異常は発生せず、暴走原因を解明できなかった。
プログラム運転中に温度センサーに異常が起こればPIDが正しく動作することも、また誤ってどこかボタンが押されたとしても電源が落ちる仕様だったので、何かエラーが発生したとしても今回の暴走のような事態に至らないことも確認された。
このような機械の暴走という異常は、それが再現されない場合に原因不明となってしまう。再現されて初めて科学的に原因を論じることが可能となる厄介な問題だ。
それをおそらく知っているのだろう。こともあろうに池袋で親子を横断歩道ではねた89歳の老人は、機械の暴走を原因として自分に責任がないと言い出した。
自動車では、仮に制御不能となったとしても、危険を回避し事故を起こさないように努める責任が運転者にはある。
車が暴走したならば、あらゆる方法を駆使して「安全に」車を止める責任が運転者にはあり、ただブレーキを踏んでいただけという発言から、それを果たしていなかったことは状況から明らかだ。また、運転者自身それをよく理解しているはずだ。
当方は電気炉の暴走が始まった瞬間に主任研究員に言われ、1度限りの大切なチャンスの実験であったにもかかわらず、非常ボタンを押して電源を落とし暴走を止めることを優先した。すぐに温度が下がり始めたが、断熱材の効果でそれは緩やかだった。
主任研究員が実験室に到着し、再度電源を入れたときに偶然保持温度のプログラムラインに炉体温度が乗ったため、電気炉はプログラムコントロールされ冷却動作に入った。
翌日温度が下がった電気炉の中には、最適条件でSiC化された高純度SiCが合成されていた。それは電気炉の暴走でもなければ見つからない反応温度パターンだった。
この時得られた高純度SiC粉末に対して2億4千万円の先行投資と研究所建設が決まっている。機械の偶然の暴走のおかげで幸運が訪れた。
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高分子材料で発生する品質問題の多くは、科学で正確に論じることが難しい場合が多い。また、正確に論じようとすると分析費用が嵩むので適当なところで妥協することになる。
品質問題が起きたときに、どこまで解析を行い対策を講じるのかは、大変難しい実務上の課題である。
一方、高分子材料の市場で発生する問題について、科学的にすべて解析可能と豪語する人について信用しない方が良い。
高分子材料を階層的にとらえた時に何が問題かさえも曖昧となるケースもあり、それでも具体的な品質問題として解決しなければいけない。
そのようなときに、間違った問題を科学的に正しく解かれても、品質問題を再発することにる。市場での品質問題というのは、科学的正しさよりも再発しないように解決することが一番重要である。
そのため、市場で品質問題が起きると、過去の事例との比較や他で起きていないかなどの調査から始めるのが一般的だが、故障に至る現場の状況調査が不明点の多さを理由に不十分となりがちである。
環境関係の法令整備が進んだので、製品における故障を素材レベルまでその素性をさかのぼることが容易となった。現場の状況調査では、高分子材料の生まれてから故障に至る履歴が重要である。
もし、破壊した状態ならばフラクトグラフィーは必須で、科学的ではないと批判されても現場情報をすべて盛り込んで仮の結論まで出しておくべきである。これは、高分子材料の市場における破壊を考察する重要なノウハウである。
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