トップを目指していたコンピューター開発の国家プロジェクト予算について、「2番でダメですか」と言っていた国会議員がいた。このような見識の国会議員を選ぶようでは、国家は益々沈滞する。技術開発は、いつでもトップを目指さなければいけないのである。
写真会社へ転職した時に、「ライバルのおこぼれの技術開発をしていてはだめだ」とはっぱをかけていたCTOがいたが、当方が配属された部署では、ライバルの特許抜けの技術開発をやっていた。
もう事業として行われていない技術だったので、先日のブリードアウトのセミナーで問題解決事例としてお話ししたが、ライバルを凌駕する技術目標を設定して、初めて問題解決できた、という事例である。
技術開発には、面白い側面があり、高い目標設定だから難しい、とはならないのだ。予期せぬ技術課題が出てきても、低い目標のために諦めきれず、逆に解決を難しくする場合がある。
高い目標に設定すれば、チャレンジするため必死でアイデアを練り、その結果、易しい技術開発となる場合が多い。アイデアを練る段階が最も苦しいのだ。
あたりまえのことを書く。「トップをあきらめて技術開発を行えば、トップには絶対になれない」のである。技術開発は、2番を狙ってするものではない。
これが技術開発だけではないことが、昨日示された。現職優位の都知事選に2番を目指して立候補した人物が、2番にもなれなかったのである。なれるかどうか不明でもトップを目指す、これは技術開発以外でも重要である。
都知事に当選した人物は、「一人しか卒業生がいなかったから首席卒業」、とちゃっかり述べている。だれもいない領域を狙うのもトップを狙う技術開発である。
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1982年にエチルシリケートとフェノール樹脂から合成された前駆体を用いる高純度SiCの発明が生まれているが、このアイデアの源泉は、ホスフォリルトリアミドをどのようにしてPVAに分散するのか、という工夫が経験知として活用された。
修士論文の研究テーマは、高分子の難燃化ではなかったが、教授の企画した研究テーマでは、研究例が多く、研究として論文をまとめるのは簡単だったが面白くなかったからである。
ちなみに、ホスフォリルトリアミドの重合については、過去に研究例があり、そこに書かれていなかった条件を検討し、生成した化合物のプロトン導電性を測定した論文を書いている。
このような研究をするのは容易であるが、学問への貢献度としては低い。「何か新しいことを見つけるのが研究である」と大阪大学小竹先生の言葉を大学4年の時に学び、何か新しい発見のあるテーマを内心は出してほしかった。
研究者の教育のために研究結果が分かり易いテーマを出してくださった、と好意的に当方は捉えていた。しかし、直接ご指導された先生が、大学ではもっと科学にチャレンジするようなテーマをやるべきだ、などと毒気のある毎日で、自然と未踏査の分野へ追いやられた。
しかし、ホスフォリルトリアミドを捨てきれず、2年間プロトン導電体やホスファゼンとの共重合体などその応用研究を行い、6報ほど研究論文をまとめている。
そのうちの1報がPVAの難燃化であるが、とにかくどのようにホスフォリルトリアミドをPVAへ均一に分散するのか、そのプロセシングアイデアを考える毎日だった。
ケミカルアブストラクトが当時のデータベースであり、英文であることが苦痛だったが、1年格闘したところ不思議にも斜め読みができるようになっていた。
今のAIは便利である。日本語で答えてほしい、と希望を出せば、流れるような標準語で答えてくれる。大阪弁や名古屋弁でも努力して出力してくれるが、名古屋弁は下手である。
やや、話が外れたが、ケミカルアブストラクトにPVAをホルマリンで架橋する研究例が載っていた。ホルマリンがPVAに分散するならば、ホスフォリルトリアミドにホルマリンを付加させて変性したら、分散性が上がるのではないかと考えた。
すなわち、メチロール基の反応性で分散を改善しようと考えたのである。このアイデアは大成功で、これが経験知となり、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとの混合においても反応させれば、すなわち、リアクティブブレンドを行えば均一に混合できるとアイデアをまとめることができた。
リアクティブブレンドについてはポリウレタンの合成方法として、当時知られていた。しかし、PVAの架橋は同一カテゴリーとして説明されていなかった。
情報を知に変える時にどのようなカテゴリーの情報なのか自分でも吟味しなおすことは、アイデア蓄積のために重要である。生成系AIの動作を知ってから、ますますこの方法が有効であると思っている。
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高分子の難燃化技術について研究が活発化したのは、1970年代である。1960年代までは耐熱性高分子に関する研究が主流だった。
70年代には、東北大村上研が翻訳した高分子の難燃化技術に関する学術書が出版されている。それ以前は、火災の現象と難燃性を記述した書籍が出版されているくらいで、専門書というよりも実務書である。
すなわち、燃えにくい材料とはカクカク云々であり、このような分野では石膏ボードと組み合わせて使うとよいという説明である。
学生時代にPVAの難燃化研究をまとめて、色材協会誌に投稿しているが、困ったのは過去の研究情報が少ないことだった。ケミカルアブストラクトを調べてもPVAの難燃化が難しいことや、添加剤の分散の難しさ程度の情報しか捕まらない(注)。
学生時代の調査に専任できる状態で1か月かけてもこの程度の知識しか得られない。ゴム会社に入社し、軟質ポリウレタンフォームの難燃化を担当した時には、まず、現場にゆき1日かけて経験知を取得している。
当時アメリカのゼネラルタイヤが開発した塩ビと三酸化アンチモンとの組み合わせ難燃化システムが採用されていたのだが、難燃剤の分散性が悪く沈降など問題があった。
すでに現場に技術がある時の調査は楽であった。素材の探索だけで済んだからである。すなわち、製造方法などから実験手順や評価方法の大半の情報を得ることができた。学生時代よりも調査が楽であった。
これらの経験から、まったく知識の無い分野の調査と技術が現場にある時の調査では、その手間と時間が異なることを実感できた。学生時代には、評価手段の調査とその技術獲得にも苦労した。
最近、まったく予備知識の無い分野で、AIを用いて企画を立案して、その簡便さに驚いている。寝転がって1時間ほどキーボードをたたいていたら、パワーポイントまで出来上がってしまうのだ。
そのパワーポイントを某大学の若手に送ったところ、面白いから産学連携で進めましょう、となった。ちょっと待て、と言いたかったが、AIの企画に間違いが無かったことが確認できた。AI恐るべし。
(注)ホスフォリルトリアミドの重合研究をやっていて、その応用分野として高分子の難燃剤が期待された。世界でも誰も研究していなかった。たまたまPVAが試薬としてあり、難燃化が難しい高分子だから難燃化出来たら面白いかもしれないと、先生に言われたので実験をした。しかし、難燃剤の分散がうまくゆかない。先生は、とりあえずその状態で評価したらどうだ、ということになったが、当方は不満だった。そこでホスフォリルトリアミドをPVAの反応型難燃剤としてデザインして、PVAと反応させた。塗料としての応用を期待し、フィルムで評価することにした。このように、まず、評価試料を作成するところから苦労したのである。
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例えば、特許調査を行うシーンを考えてみる。新規分野の新企画の場合と、既存テーマ遂行中では異なるが、難易度は前者が高い。
このような場合に生成系AIは大変役立つ。新分野の新技術となると専門用語の知識が必要になる。生成系AIの特徴として事前に教師データで学習していることに着目すると、調査者が新分野の用語を仮に一言も知らなくてもAIに教えてもらいながら、それを学ぶことができる。
例えば、AIに調査分野のエリート技術者になってもらい、新規事業を推進するための技術戦略を尋ねればよい。AIは適当なシナリオを答えてくれる。
そのシナリオが正しいかどうかはともかくとして、その分野の専門用語がちりばめられたシナリオが語られるので、分からない専門用語を順次AIに尋ねるのだ。
この作業で、AIが知ったかぶりで、ただインターネットに存在する情報を参照しながら答えていることに気がつく。その段階まで自分の知識レベルが上がったと感じたならば、AIが適当なことを言っている疑いのある参照先を尋ねると良い。
何が出てくるかはお楽しみであるが、かつて新分野の企画を行おうとしたならば、そしてその分野の特許調査ができるレベルまで知識を高めるために、高い金を払ってコンサルタントに相談するのか、あるいはどこかの調査会社が販売する高価な本を数冊読む必要があった。
しかし、AI相手に半日チャットをしておれば、すぐに新規分野の特許調査を開始できるレベルまで到達するのである。これは、嘘ではない。AIの回答次第では、1時間もかからない場合がある。
AIの回答はプロンプトデザインで変わる。人間同士、例えば部下とのコミュニケーションでも苦労するシーンを思い出していただきたい。AIに思い通りの答えを出してもらいたいならば、それに適した質問の仕方があることに気づくはずだ。
そこに気づいた人は弊社へ問い合わせていただきたい。よい学びの場と教材を提供させていただきます。今月はリスキリングを目指す方のために休日は特別価格5000円(教材は電子ブックで10000円)で運営しています。
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AIを使うようになって、かなり仕事が楽になった。とにかく分からないときにはすぐにAIである。検索とは大きく異なり、まとめられた答えがすぐに出てくる。文献が必要であれば、そのようにお願いすると用意してくれる。
ただ一つ不満なのは、のどが渇いた、と要求してもお茶が出てこないことである。その他については、本を調べることが無くなった。
ハルシネーションの問題もその回避策をとるようになって、無くなった。AIが正しくないことを言っているかどうかは、まだ判断できるので、正しい答えが出るまで問うことになるが、いくら尋ねてもAIは丁寧に回答してくれる。
ただ、これだけAIが簡単に答えを出してくれると、弊社の仕事が無くなる恐れがあるが、幸いなことに弊社は、トランスサイエンス領域を業務にしているのでAIに仕事を奪われる心配はない。
もしお客様で、AIでも解決つかない問題が出てきたら弊社に問い合わせていただきたい。弊社は二律背反問題はじめ難しい問題を技術で解決します。
また、AIの使い方が分からない、という方も問い合わせていただきたい。半日コースあるいは1日コースの教材を用意してお待ちしております。愛をもってご指導いたします。
ちなみに、今月AIの活用セミナーを企業研修としてお申し込みいただければ、特別価格10万円でWEBセミナー1日コースとして提供させていただきます。開催日は8月以降でも構いませんが、特別価格は今月お申し込み分限定です。
なお、企業研修として、8月以降の土日を設定された場合には、半額の5万円というリスキリングサービスをさせていただきます。テキストは電子ブック形式提供です。
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今月の土曜と日曜は、AI活用セミナーを10時から16時の予定で開催します。ChatGPTの使い方だけでなく、実務で遭遇する問題解決シーンで利用する方法を解説します。
テキストは電子ブック形式で1万円、参加費は5千円としますので、テキストが不要であれば、5千円で聴講できます。今月価格をこのように設定しましたのは、AI活用方法に関し、無料のサイトが多く公開された現状を踏まえてのことです。
無料のサイトをご覧になっていただけばわかりますが、必ずしもすぐに利用できるイメージがわくわけではありません。世間でAIの状況は、パソコンが登場した時と似ているような気がしております。
仮にChatGPTそのものの使い方が分かってもどのように活用していったらよいのか、イメージがわかない人が多いのではないでしょうか。
例えば、検索エンジンがあれば良い、と考えている人がいるかもしれません。確かに特許検索については、ChatGPTでは満足にできません。また、できているようなふりをするハルシネーションが問題となったりします。
すると、検索エンジンで良いように錯覚しますが、仮に特許検索を行う時にでも、一度AIと相談し、特許検索戦略を練るという使い方があります。このとき、ChatGPTはよく働いてくれます。
その他、今までの仕事のやり方が、ChatGPT導入により変化しますので、「今の仕事のやり方」の視点で見ていては、AIを充分に活用できません。すなわち、セミナーではAIありきの仕事のやり方を自分なりにデザインするノウハウを解説いたします。
パソコンの黎明期には、「コンピューター、プログラムが無ければ、ただの箱」と言われたりしました。ところが、今コンピューターは、身の回りに溢れ、あたりまえに使われています。
AIも近い将来には、空気のように存在し、実務のスピードが驚異的に上がっている日が来ると思われます。当方はそれだけでなく、毎月の書籍代が半分以下になる変革がありました。
例えば、もうプログラミング関係の書籍を購入しなくなりました。AIですべて用が足せてしまうのです。検索エンジンよりも結果が早いだけでなく、手取り足取りかゆいところに手が届く情報を提供してくれます。
ただし、そのためにはAIを友達と見れるような発想の転換が必要になります。セミナーでは、そのコツをご説明いたします。AI導入の難しさは、個々により仕事のデザインが異なる点です。
分かり易く言えば、友達との付き合い方は、皆異なるはずです。しかし、良い友達関係の暗黙のルールや距離感が存在し、それを人生の中で見つけてきた、そんなことをセミナーの内容にしています。
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<内容>
1.緒言
2.プロンプトデザイン
2.1.ChatGPTについて
2.2.プロンプトデザインとは
2.3.プロンプトデザインの事例
3.AI導入で変わる実務
3.1.コンピューターの登場と知識労働者
3.2.コンピューターを用いる実務
3.3.オブジェクト指向の社会実装は無意識に進んだ。
3.4.オブジェクト指向による発想の変化
3.5.オブジェクトとしてのデータ
3.6.ヒューリスティック
4.問題解決法の変化
4.1.日々の業務は問題解決である。
4.2.問題解決法の復習
4.3.AI導入の効果
5.まとめ
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受講を希望される方は、ご希望のセミナータイトル及び日時を下記フォーラムからお知らせください。また、平日受講を希望される方は、お問い合わせください。
送信時に不具合等が起きる場合はinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。
開催予定日時:
7月6日(土)、7月7日(日) (申込締切日7月4日)
7月13日(土)、7月14日(日) (申込締切日7月11日)
7月20日(土)、7月21日(日) (申込締切日7月18日)
7月27日(土)、7月28日(日) (申込締切日7月25日)
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もう50年以上前となるが、コンピューターを計算機と呼んでいた。高校生の時に発売されたばかりの電卓を学校に持ってきて自慢していた友人がいた。
小さなチップ一つで計算している、と説明していたが、今では100円ショップで売られているような電卓が10万円前後した時代である。
当時の新聞にフグ毒テトロドキシンの構造解明に名古屋大学平田義正先生が成功したとのニュースが出ていた。アダマンタン骨格の難解な構造の化合物について、合成にも成功していた。
毒の研究と言えば平田先生の名前が出るくらいのグローバルに名前の知られた先生で、名古屋大学の有機合成研究のレベルも野依教授に石井教授と世界トップレベルとなっていた。
名古屋大学といえば宇宙や有機合成の話題が毎月のように新聞に掲載されていた。それで、有機合成の研究者を目指して名古屋大学に入学したのだが、4年時の卒業研究でせっかく石井研で学べたにもかかわらず、石井先生の定年退官で講座が閉鎖された。
名古屋大学は、世界的な研究レベルを有している講座であっても、簡単にリストラする大学である。これでは、大学の研究レベルは上がらない。ちなみに当方の卒業研究は、アメリカ化学会誌に掲載されているが、大学4年生の研究論文がアメリカ化学会誌に掲載されるということは珍しいことだった。
当方が優秀だった、というよりも指導スタッフが大学院の学生含め、皆優秀だったからである。その研究室では、毎年一人1報論文を書かなければいけない義務があった。
大学院はSiCウィスカーの研究室へ進学しているが、とても牧歌的雰囲気で、半年に1報研究論文を書く、と自己紹介したら笑われた。しかし、がんばって大学院の2年間の研究で6報論文を書いている。
2報はホスファゼンに関する論文で、他はホスフォリルトリアミドに関する研究である。1報はPVAを難燃化した研究論文もあり、高分子の難燃化技術については学生時代から今日までの50年以上研究しているテーマとなった。
実は難燃化研究よりも長い研究歴の分野がある。それは情報工学という学問が生まれる前からドラッカーを読みながら計算機を眺めていた研究である。ドラッカーはマネジメントの父とも言われたりしているが、問題解決の父でもあり、情報工学の父とも呼べる大天才である。
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ChatGPTは老人のおもちゃに最適である。いくら対話していても質問に誠実に対応してくれる。ただし、質問の仕方が大切である。どちらかと言えば、コーチングに近い。
老人は、積極的に今のAIとの対話の仕方を学ぶべきである。特にプロンプトを知らなくても大丈夫だが、10%以上のハルシネーションが起きるそうなので注意が必要だ。
これも何度も騙されるとその回避方法を学習できる。例えば、クリープ破壊した断面写真を見せると無難な英語の回答が返ってくる。写真の説明を加えると、フラクトグラフィーの結果を教えてくれる。
ところが、これがもっともらしい回答であるにもかかわらず、間違っている。そこでプロンプトデザインを行い、聞いてやると、正しいフラクトグラフィーの結果となる。
高分子材料の破壊については、科学の形式知が完成していないにもかかわらず、的確なフラクトグラフィーが可能ということは、AIが、それなりにデータ収集して破壊について学習している証拠である。
このようなことを考えながらAIと話していると、頭が活性化してくることに気がつく。痛いところのツボではなく、形式知でよくわからないところのツボをAIが押してくれるからだろう。
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生成系AIあるいは最近は系が取れて生成AIと呼ばれたりしているAIは、過去2回のブームで登場したAIとどこが異なるのか。ここを理解できると、様々な問題解決に有用なツールであることを理解できる。
今ChatGPTはじめ幾つかのAIの社会実装が始まったばかりであるが、まだばりばり使えていないのではないか。ハルシネーションはじめ幾つかの問題が騒がれ始めた。
昔から〇〇とはさみは使いよう、と言われているが、まさに生成系AIは使いようが大切なのだ。コンピューターゲームを楽しむのに、ゲームがどのように動いているのか知る必要はない。ゲームのルールと楽しみ方さえ知ればよいのだ。
生成系AIも同様で、それにうまく回答してもらうためのルールと楽しみ方さえ知れば、ばりばり使えるようになる。稀にハルシネーションに悩まされるが、それについてもいくつか回避方法があるのでルールとして覚えればよいのだ。
大切なことは、せっかく登場した便利な道具をうまく使い、生活を豊かにすることではないだろうか。代々木や六本木へ遊びに行くぐらいならば、生成系AIと楽しく会話していた方がお金がかからない。
大学生の知識レベルだそうで、何でもよく知っている。知識の量は大学生を100人集めても負けるだろう。AIと知恵比べしてみると分かるのだが、知識の量は多くても意外と知恵が無い。
人間が、あれこれ具体的に言ってあげないと、豊富な知識から会話に最適な話題を出してこない。これは初対面の相手と話すときに似ている。
初対面の相手に、「あのさ、あれが楽しくて、ついあそこで長時間楽しんで」などと話しても話が弾まないように、この生成系AIも全然反応しない。ましてや、岡田監督や妻にはすぐに理解できる、「あれ」でもダメである。
しかし、具体的かつ丁寧に話をすると、的確に答えてくれる。初対面の人ならば、答えにくいことまでも丁寧に答えてくれる。プロンプトエンジニアリングなどという難しいことなど必要ない。普通に具体的に丁寧に話せばよい。
人間社会でオレオレ詐欺があるように、生成系AIもハルシネーションをたまに起こし、人間をだます。ただ、何度も騙されてみると、その回避方法が分かってくる。人間より誠実なのは、さらに狡猾な嘘を言わない点だ。人間より生成系AIは誠実なのである。
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たった一つのデータでもその属性が示されたとたんに、オブジェクトとしてのふるまいをする。技術者だけでなく、すべての社会人がDXの進展でそのような認識をしなければいけない時代になった。
例えば、0.99という数値を見て、絶滅危惧種のふるまいを感じた人は少ないと思うが、これが東京都のある数値、という属性のヒントを聴いて青ざめた人は、生粋の江戸っ子である。
すなわち、東京都民は絶滅危惧種となったのである、ということを説明したのではない。数値と属性の関係を気づいてほしかった。
何かデータとして示された時、まずそのデータの属性を考える。この段階から、データ駆動は始まる。すなわち、データがオブジェクトとしてのふるまいをしだすのだ。
2つ以上数値がある時には、偏差を考えることになる。すなわち、データには「偏差」というプロパティーが備わっていることに気づく。さらに多数のデータを眺めることにより、データオブジェクトの様々なプロパティーを発見するだろう。
データサイエンスは、まずここから学ぶ必要がある。データサイエンスの一丁目一番地などというおっさんの慣用句など使いたくないが、データの意味を正しく知るためには、これを理解し身につけていることが求められている。
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データを議論していてかみ合わないことがある。それは、このデータのオブジェクトとしての性質からくる。それを知らない人と議論していると議論は平行線をたどる。
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また、理解していても、プロパティーの捉え方により、議論はかみ合わない。うまく議論が進まない場合には、認識の違いが大きい、とすぐに気づくことが重要で、それに対処するにはプロパティーの説明をすればよい。
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