以前この欄で、防湿庫に保管していたニコンF100の裏ブタのフックが破損した話を紹介した。裏ブタのフックが壊れると裏ブタを閉めることができなくなりフィルムが感光するので、フィルムカメラにとってこのフックはキーパーツのはずである。
フラクトグラフィーを用いて、このフックの破壊について解析すると、典型的なクリープ破壊で進行していたことがわかった。このキーパーツの設計において、設計時の寿命予測として仮に10年程度を考えていたとしたならば、初期故障と分類してもよいような短命で、破壊の仕方もそのように推定されたので、うまく品質管理ができていない可能性を疑った。
ところが某中古店でヒアリングしたところ、このF100のフックについて展示していただけで壊れるケースが多いという。中古店情報なので破壊寿命やその様子は不明だが、最近はフィルムカメラの需要も少なくなったので、長期間裏ブタの開閉をしないカメラF100も多い。
いろいろ考察を進め、この裏ブタのフックについて、設計段階でどのような寿命予測試験を行ったのか疑問を持つに至った。もう10年以上過去の話なので時効と思われるが、写真会社に転職してこのようなゴム・樹脂部品についてアーレニウス型の寿命予測が多く用いられていることにびっくりした。
ゴム会社では40年以上前からワイブル統計で寿命予測を行うのが一般的だったので、設計者になぜアーレニウスだけで行っているのか尋ねたところ、いままでこの方法で行ってきて問題がなっかった、という。ところが、当方が豊川へ単身赴任したところとんでもない品質問題が発生した。
詳細は省略するが、1980年代のセラミックスフィーバではセラミックスの品質管理にワイブル統計を導入する検討が学会で真剣に議論されていたが、高分子学会でそのような議論がなされた様子をこの30年間見ていない。ゴム会社で40年前に導入されていたのでワイブル解析は常識と思っていたが、某樹脂会社の人からワイブル統計を御存じないと言われたのでセミナーを企画することにし、3年ほど前から行っている。
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先日カオス混合装置のことを書いていて、暗黙知なるものに思いが至り、わけのわからない内容になった。
これまでの人生でアカデミアの方もびっくりされる技術発明をいくつかしてきたが、高純度SiCの発明とカオス混合の二つの技術は、驚かれただけでなく、高い評価をいただいている。
高純度SiCの技術では、自作した超高温熱天秤で反応速度論の解析まで行った実験をO先生に話したら、データを見せてほしいと言われた。そこでデータを見せたところ勝手に論文を出されてしまった。
早く論文を出さなければいけないから、とその理由の説明をされたが、ご自分をファーストオーサーとして書かれた点になると歯切れが悪い。このような不誠実な先生もおられるから企業の方はアカデミアの先生にご相談をされるときに注意された方がよい。
高純度SiCの発明は、形式知で考えていたら絶対にできなかった発明である。これについてO先生が熱く解説してくれた。すなわち、フローリーハギンズ理論で否定されるポリマーの組み合わせで実現しているからである。
そして、この理論で否定されるポリマーの組み合わせでもリアクティブブレンドならば相溶でき、この研究は、相溶できないポリマーの組合わせを相溶できる唯一の方法を提示している、とあたかもご自分が初めて成功されたような興奮で語ってくださった。
もっとも当方もそのように考えてフェノール樹脂とポリエチルシリケートの組み合わせで必ず成功すると思い、試行錯誤を繰り返し成功したのだから、その当方にこのような熱い語りをされても、ただ呆れるだけだ。
専門家が他人の研究を奪ってしまいたい、と嫉妬するくらいの発明は、優れた発明と言えるかもしれない。この視点でカオス混合装置も同様で、元神戸製鋼の技術者H氏は、某社セミナーの講演でカオス混合装置をご自分の発明と説明されていた。
特許を調べればこれが嘘であることがわかるので信じている人はいないと思うが、そこまで調べない受講者は信じている人もいるかもしれない。
昨日の当方の講演ではこのあたりの問題について30秒ほど触れたが、興味のある方は弊社へ問い合わせていただきたい。
H氏の講演では少し腹が立ったので、講演終了後H氏に注意をしているが、「大変すばらしい仕事をされた」と上から目線で褒められ呆れた。年を取った技術者は図々しい。
他人の研究を素晴らしいからという理由で自分の研究とする不誠実な人間だけでなくFDを壊して研究の妨害をする人もいるので、他人と共有化しにくい暗黙知の扱いは難しい。
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雑誌を購入するときに内容を見て購入する習慣で、成人してから定期購読をした経験がない。理由は多数の分野の情報を知りたかったからだ。自分の興味のある雑誌を定期購読していたら、30年前は給与の半分が無くなっていたかもしれない。
しかし、当時に比較すると雑誌の数が大きく減少した。特にコンピューター関係と産業関係の情報誌、自己啓発誌が減少しただけでなく様変わりしている。例えば株式関係の雑誌が目立つところだ。
早い話がインターネットの時代でも読者を捉えている雑誌が今書店に並んでいるといってもよい。換言すれば書店に並んでいる雑誌を見れば世間の興味を持っている分野を知ることができる。
デジカメの普及とともに写真雑誌が多数出版されるようになったが、最近はそれも淘汰されてきて、一定の読者を抱えている雑誌だけが現在残っている。はじめて写真を投稿し入選した日本カメラは現在も出版されているが、その本の厚みは薄くなった。
出版不況とデジカメブームの沈静化、そして写真の楽しみ方がインターネット中心になったためにこれら写真関係の雑誌も苦労しているのだろう。そんなところで詐欺のような編集の雑誌を見つけた。
表紙に書かれたタイトルと本の内容が異なっているのだ。今月号の「カメラマン」の表紙には、テーマとなっている記事のタイトルが「ジャンル別プロの撮影極秘テクニック」とあるが、実際の中身は「作品ありきの写真周辺用語実例集」となっている。
この雑誌で過去にも類似のミスを見つけたが今月はもっとひどい。扇風機を購入したつもりが、箱をあけたら掃除機が入っていたようなミスだ。掃除機でも吹き出し口から風が出るので扇風機として使えない訳ではないが。
恐らく読者が減っており、雑誌編集に金をかけられなくなってきたのかもしれない。「CAPA」はどんな具合だろうと購入してみたが、相変わらずの内容だった。タイトルにつられて買った「カメラマン」の雑な内容のおかげで、今月は購入するつもりのなかったカメラ関係の雑誌を二冊も買うことになった。
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舛添氏はじめ一部の知識人には社会が日大の問題に大騒ぎする理由が見えていないようだ。最初に関学から提起された、反則タックルにより選手が負傷しただけの話ならば、舛添氏らの意見が当たっているかもしれない。
しかし、社会はそのような問題から離れ、日大という一応ブランド力のある大学の幹部がとんでもない人物で、さらに組織が彼を守ろうとし、本来大学という組織として一番大切にしなければいけない学生を見殺し状態にした行動に驚いている。
これは大変にわかりやすい問題で、普通の感覚の人ならばすぐに憤りを感じる善悪問題である。ただ、舛添氏はじめ一部の知識人の書かれている「大した問題ではない」意見を読むと、この社会的影響力のある組織で発生した善悪問題とそれを放置した時の社会的影響に気がついていない。
悪人を許し善人をいじめる組織、そしてこともあろうにそれが教育機関である事実にいまや世論は驚いている。実は早めに日大側が幕引きを図っておれば、このような日大の組織の恥部をさらけ出すに至らず大きな社会問題まで発展しなかった。
さらに学長まで恥をかくような会見を開かなくても済んだ。腐った組織だが外から見れば立派に見える、というのは探せばいくらでもある。
世の中が勧善懲悪の舞台ではないことを大人であれば誰もが理解している。その中で少しでも良い社会にしてゆこうと多くの普通の社会人は毎日努力して生きているのだ。
その目の前で社会的地位を得ていた「悪人」とその「腰ぎんちゃく」が「弱者」に悪事を命じたシーンが演じられた。そして弱者は命じられたまま実行するが、良心に耐え兼ねて真実を話しても悪人は知らぬ、存ぜぬと言っている光景がTVから連日流れている。
しかし、鈍感な、あるいは日大アメフト部の監督の様な人物がリーダーになっている組織では、しばしばこのようなことが社会にどのような影響を及ぼすかに気がつかず、問題が泥沼化する。
当方はインサイドの立場で、このような問題が起きたときに早く幕引きをするように努力し組織へ問題提起したが、所属していた組織が常識に反する方向へ動いたので被害者でありながら傷を深めないようにするため転職する決断を選んだ。
その後、当方はもうその会社とは無関係の立場で事件を知ることになったが、数年後にはさらにとんでもない事件が起きた。人生誠実真摯に生きようとすると損をする風土ではいけない。そのような風土を放置すると健全な風土にまで問題が飛び火し全体がおかしくなる。
日大アメフト問題は、この時と同様に単にスポーツの現場で起きた問題から社会正義に反していると世論が感じる問題に発展し、そしてそれが教育機関であったという理由で大きく社会問題化しているのだ。分かりやすい問題ゆえに誰もがそれぞれの価値観からこの事件を捉えている。この問題に関して意見の違いは、それぞれの価値観の違いとなる。
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この3ケ月間に下記講演会が予定されております。弊社主催ではございませんが、割引価格でご提供できますのでお問い合わせください。
記
1.伸張流動に関する講演会
(1)日時:2018年5月30日(水)10:00-17:00
(2)場所:<東京・五反田>技術情報協会セミナー
(3)主催:技術情報協会
(4)参加費:弊社へお申し込みの場合には56,000円
(5)4人の講師による講演会です。当方はカオス混合について講演いたします。
2.その他
(1)ゴム樹脂の混練技術に関する講演会
日時:2018年6月15日(金)10:30~16:30
場所:日本
(2)デザインに配慮した樹脂設計
場所:中国上海
日時:2018年6月29日
(3)シリコーンポリマーに関する講演会
場所:台湾
日時:2018年9月11日
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日大のアメフト問題は、大きな社会問題に発展しているが、当事者である日大ではこの状況をよく理解できないでいる。
また、舛添氏はじめ一部の知識人が大した問題ではないのにどうしてこのように大きな問題として扱うのか、と注意を喚起し始めた。
実はこの問題は初期段階で日大側がしかるべき対応をしておれば、このような大きな問題に発展しなかったのではないか、と当方は推測している。
それは単純な危機管理の側面ではなく、価値観の歪んだおかしなリーダーがいる組織では、その歪んだ価値観が表に出ないように収束すべき、すなわち早い段階で対策してしまえば社会問題化しなかった、というのがその理由だ。
臭いものにふたをしろ、と言っているわけではない。組織の問題は組織内部で自浄作用を発揮できるようにしなければ、例えば日大側で第三者委員会を作り自分たちで迅速に解決できるという行動を起こさなければ、いけなかった。そして速やかに組織改革を行うのがあるべき姿だろう。
また、監督の人間性や価値観はおよそその職にふさわしくない、換言すればどうしてこのような人がここまで出世できたのか、という問題と、このような人物を大切にする組織はいかなる組織か、という二つの問題を社会にさらけ出すのではなく、自分たちで是正をしなければいけなかった。
まずいことに、教育機関という組織でありながら、その機関で学ぶ学生を見殺しにしている姿まで世間にさらけ出しているが、これでは、教育機関として失格である。
危機対応としてまずかった点については、多くの人が指摘している。しかし、今回は、およそ社会が見たくもなかった組織の現実をこれでもかというほどさらけ出してしまったのだから、単なる危機対応の範疇を超えてしまった。
女子プロレスにおけるおかしな発言をした大学学長もいたが、あの問題では初動こそおかしな対応であったが、その後は日大と異なり素直に関係者が非を認め謝罪したので今回のように飛び火せず、沈静化した。
今回は問題が負傷事件にとどまらず、監督やコーチだけでなく日大関係者までが悪人とされ、彼らを退治するまで社会がおさまらないというところまで来ている。さらに刑事事件にまで発展したことに当方は驚いている。
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20日の(8)でカオス混合装置の仕組みを説明したが、このような簡単な仕組みならば特許にならないだろうと思ったら、公知ではなかった。
もっとも当方も指導社員の宿題を30年以上考えて思いついたのだから、特許が出ていなくても不思議ではない。
当方がどのようにして思いついたのかは30日のセミナーでお話しするが、偶然の出来事である。誰でも注意しておれば気がつくような単純な内容だが、やはりアイデアというものは、どこか頭の隅に種(暗黙知)が無いと思いつかないものである。
指導社員に教えられ、いろいろ実験を行い、沈思熟考を繰り返し、そしてある時偶然思いつく。良いアイデアとは努力の積み重ねから生まれる。
アイデアマンというと気楽な呼称に聞こえるが、実はアイデアを出すための日々の仕込みが重要である。よく何でも興味を持って眺めるように、という人がいるが、今時そのような行動を街中でとると職務質問されたりする。
実際におまわりさんの職質を受けてみると落ち込む。怪しい人間ではないつもりでもお巡りさんから怪しく見えたのだからその行動を反省しなくてはいけない。
それからというもの、秋葉原以外ではきょろきょろしないことにしている。秋葉原では、挙動不審以外に風貌の怪しい人などいっぱいいるから安心である。
年をとっても不思議なことにこのような仕込みで頭に入れた記憶は失われない。昨日妻に頼まれた買い物はまれに忘れる話を書いたが自分の興味のある内容については忘れるどころか情報がどんどん取り込まれそれが自然に整理され、取り込んだ情報よりも多くなって蓄積されることもある。
一を聞いて10を知るとはこのことかもしれないが、情報が知識に加工される過程をこの言葉は表現したのかもしれない。若い時にもこのような瞬間を味わった経験があるが、年を取ってからはそれが多くなったような気がする。おそらく暗黙知が外部刺激により経験知に代わっているのだろう。
大学4年の時に故石井先生の博学ぶりにびっくりしたことがあるが、それは年のなせる業かもしれない。また先生の言われた知識が形式知と思っていたら教科書には書かれておらず、改めて相談して経験知であることを教えられアカデミアの先生でも経験知を大切にされていることを知った。
この先生のもとで技官をやっておられた福井先生から石井先生の40過ぎに自ら留学を決意された話を伺い、40にして惑わず、と言った孔子より凄いと感じた。本来なら劣っていると感じるところかもしれないが、知というものを追求するのに年の上限は無い、とその話を理解したためだろう。
亡父も死の間際まで勉強をしていた。今認知の問題が話題になっている。年を取れば老化があるから認知の衰えも仕方のないことかもしれない。しかし亡父は無くなるまで当方を叱り続けていた。亡父の指摘は時には誤解も多かったが転職してからありがたいと感じるようになった。その当方の年は孔子が惑わなくなった年齢である。
40にして惑わず、とは、孔子が学を大成した年齢とされるが、当方の人生観からするとこれは間違っているような気がしている。当方の存じ上げている多数のアカデミアの先生は皆老人になられているが、とても「惑わず」とは思われない先生も多数いらっしゃる。また情報化時代の今日にあって40で惑わない状態は時代についていけない状態となることを意味する。
今AIが話題で、人間の仕事が奪われる暗い未来が描かれたりするが、暗黙知をAIに搭載することは難しいし、AIが暗黙知を持つようになるとは思えない。なぜならもしこれをAIに搭載することに成功したとしても暗黙知の制御技術を搭載することなどできないから、AIの暴走を恐れ実用化しないだろうと考えられる。ターミネーターを容易に作ろうと考えてしまう未来など想像したくない。
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オブジェクト指向の言語で初めて学ぶのに何がよいのか、という問題に関して、C#を勧める、としてこの連載を書いてきた。
記憶が正しければ、型の話まで説明してきた。プログラミング言語の文法書は分厚いものが多い。C#の文法書もそれなりの分厚さで、まずその厚みに圧倒される。
しかし、ポイントを把握しておれば、本の厚みを恐れることは無い。前回まで続けて書いてきて、その後ほかの話題を書いていたためにしばらく忘れてしまっていた。
実は、C#について、オブジェクト指向の概念を理解したら、型のところまでを十分に勉強すると後が楽になる。構文についてはそれほど難しくない。
とにかく型というものがどのような種類があり、どのように定義されているのかをよく記憶しておくことだ。構文については自然と頭に入るが型についてはすぐに忘れたりする。
特にC#の言語以外を使っていた人は、C#特有の型を丁寧に記憶することだ。年をとるとこの記憶という作業が大変になる。仕事ではC#のこの説明のように対策をとっているが、少し甘えが気持ちにあると大変だ。
朝家を出るときに妻に言われた買い物をお昼に戻るときに忘れていることがたまにある。頼んだほうも忘れているから、昼食の準備を始めるまで思い出さない。
準備を始めてマヨネーズが無かった、ソースが無かった、となる。年をとってよかったと思うのは、このようなときに二人とも思い出さないから、あとで買ってこようとなって、夫婦円満に過ごすことになる。
このように忘れるリスクを常に考えているので、常用するパソコンのデスクトップは大変である。備忘録が、そこかしこに転がっている。アサイチの仕事の習慣は、この備忘録をごみ箱に捨てることから始まる。
さて、C#の型だが、プログラミングをしているときにエディターに便利な機能があるので忘れても大丈夫である。ただ、慣れるために一度はすべて記憶してみることをお勧めする。このすべてを体系立てて一度記憶する作業の効果は年を重ねるにつれ現れてくる。
知をどのように身に着けたらよいのか、知をどのように伝承したらよいのかという話になるが、このあたりもコンサルティング可能である。実際に当方の指導を受けたらアイデアが出るようになった、という感謝のメールをいただいている。
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木曜日まで急な中国出張で日本のニュースを見ていなかったが、17日の少し気になるニュースを見つけた。
「安倍首相は17日の未来投資会議(議長・首相)で、プログラミングなどに関する「情報科目」を国語や英語と並ぶ基礎的科目として大学入試に追加する方針を表明した。」という読売新聞電子版の記事である。
この記事ではさらに、「人材不足が指摘される情報技術(IT)分野で優れた人材を育てるのが狙い。政府は大学入試センター試験に代わり2021年に始まる「大学入学共通テスト」で、25年1月から情報科目を導入することを想定している。」と続き、大学入試で全員にプログラミング能力を求めるような事態になっている。
その理由として、「首相は会議で、AI(人工知能)や情報処理に関して、「これからの時代の『読み・書き・そろばん』(にあたる基礎的な技能)だ。文系、理系を問わず理数の学習を促していく」と述べ、林文部科学相に改革案の検討を指示したという。
情報処理能力が現代の必須能力であり、基礎的技能としてプログラミングが必要というのは同感である。当方も上京し秋葉原を散策する習慣がついたころからそれに目覚め、独学でCやC++をマスターしている。
しかし、大学入試にこれを求めるのは、少しおかしいような気がしている。昔そろばんが基礎的な技能として求められたが、大学入試まで全員にその試験が行われた話など聞いたことが無い。
プログラミング技能をそろばんのように身に着けていたほうが良いことは常識であるが、その能力を大学入試で確認する、というのは大学入試の目的から少し外れているようで違和感を覚える。
あたかも義務教育における性教育の成果を大学入試で確認するような感覚といえばご理解いただけるかもしれない。大学入試の問題がどのような内容となり、またその内容で受験者の「本当の能力」をテストできるのか。
情報処理能力というものは、必要と感じなければ、すなわちそれをしたいと目覚めなければ、発揮されないものだと思っている。プログラミングの手を決めてそれを知っているのかどうかなどテストしても意味が無い。
当方は小学校入学前に「読み、書き、そろばん」を学ぶために書道塾とそろばん塾に通わされたが、プログラミングもこのような学び方をする科目のように思う。もし希望される親御さんがおれば、小学生向けワンコインプログラミング塾でも開いてみようか?
ちなみに、高校生になった時には電卓が普及し、そろばんなど不要になった。また毛筆など使う機会も無くなり、せっかくの身に着けた技能が無駄になった。ただ、いまだに暗算ができるのはそろばん技能のおかげかもしれないので両親に感謝している。
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この3ケ月間に下記講演会が予定されております。弊社主催ではございませんが、割引価格でご提供できますのでお問い合わせください。
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1.伸張流動に関する講演会
(1)日時:2018年5月30日(水)10:00-17:00
(2)場所:<東京・五反田>技術情報協会セミナー
(3)主催:技術情報協会
(4)参加費:弊社へお申し込みの場合には56,000円
(5)4人の講師による講演会です。当方はカオス混合について講演いたします。
2.その他
(1)ゴム樹脂の混練技術に関する講演会
日時:2018年6月15日(金)10:30~16:30
(2)デザインに配慮した樹脂設計
場所:中国上海
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