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2021.09/28 タグチメソッド

技術者が科学知識を身に着けておくことは常識であり、義務教育では、科学教育が9年間行われている。国民の90%以上が高卒レベル以上の科学知識を身に着けている日本では、技術者の科学知識については十分だろう。


しかし、技術に関する経験知や暗黙知の獲得の仕方については、企業で実務を経験するまで学ばないけれど、最近は企業も従業員教育を昔のように一生懸命行っていないから、技術者の知識獲得機会はかつてより減少している。


ゴム会社は人材育成にかなり力を入れており、職場教育や3年ごとの一斉研修などがあり、学ぶために就職したと感じる様な会社だった。研究所はさらにアカデミアよりも形式知重視で否定証明の報告書も立派な報告書として扱われたりしていた。


転職してびっくりしたのは、社員教育への企業投資の違いである。おそらくゴム会社は伝統的に人材教育に力を入れている企業で、それがまた創業者の精神伝承の一つだったと転職して感じた。


写真会社は、おそらく世間の標準程度の人材教育をしていたのだろうが、20年勤務している間に人材教育も自己責任となっていった。ゆえに社員で自分磨きに投資している人とそうでない人はきれいに相分離する様子を観察することができた。


この様子を見て、当方は勉強の重要性を部下にしてきたのだが、窓際になってからやめた。成果を出してもそれが人事評価に反映されないのなら、ワークライフバランスを取りながら働いた方が賃金上昇が無い現代においては得なのである。


だから、ワークライフバランスが流行するのであり、窓際族が口をだしては、たとえそれが教育目的であったとしても迷惑だろう。今なら積極的なサービス援護はパワハラやセクハラとの誤解を受ける時代でもある。窓際族は静かにしているのが無難である。静かにできないならばさっさと退職したほうが精神衛生上よい。


働くという道徳的な概念が定着しないままワークライフバランスを導入された結果、勉強しない人はどんどん仕事ができなくなってゆく。また仕事ができなくても終身雇用なので給与が入ってくる。大卒が50%近くを占めるようになったので人事評価の平等性が難しくなったが、学習を自己責任とすれば相分離が自然に起きるので、それを容易にする。


その結果、理系の大学出身であれば、高学歴な作業者となってゆく。たとえそのように処遇されたとしても身に着けておきたいのはタグチメソッドである。タグチメソッドは現象を見る眼力を磨くことができる。タグチメソッドだけは勉強しておきたい。個人でも構わないのでご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。

 

カテゴリー : 一般

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2021.09/27 高純度SiC開発(8)

高純度SiCの開発企画は研究所内では全くの不評で、海外留学の話が当方に提案された。しかし、その行き先はSiCの研究ができる環境ではなかった。

そこで、当方は当時SiCの研究で世界の注目を集めていた無機材質研究所(現在の物質材料研究機構)と調整し海外留学の代わりに無機材質研究所へ2年留学することになった。

その後、留学中に研究開発本部長が交代するとともに研究所長はじめ組織体制が変った。以前この欄で高純度SiC新合成法が生まれた時の状況を書いたので省略するが、2億4千万円の先行投資とファインセラミックス研究棟の建設があり、2年間の留学を1.5年で切り上げ、ゴム会社で高純度SiCの事業化を推進している。

ここまでに至るごたごたについて省略しているが、大切なことは、担当者には直属上司の方針や職場風土などから会社のイメージが形成されるが、それは誤解であり、正しくは社長がその企業の実体である。

迷ったり悩んだ時には、担当者にとって遠い存在かもしれないが、社長をよく見つめてみることである(すなわち、社長方針や機会あるごとに社長が話される言葉などを読んでみる)。

例えば、直属の上司の方針と社長方針とが乖離しているときには、直属の上司が間違っている、とまず「悟る」ことが大切だ(大きな組織では、方針管理のすり合わせを行っても誤った方針が設定されたりすることは、方針管理を伝言ゲームと勘違いしている職場では時々生じる。)。

悟った結果の行動についてはそれぞれの判断になるのだが、当方は、新入社員研修で「火中の栗を拾う人材を求めている」、と言われた社長の言葉を信じて、それに従って拾ってみたら、成果を出しても昇進試験に落とされたりと火だるまになった、というわけだ。

ただし、社長方針として「ファインセラミックスを事業の柱に」と出ていたのに、研究所の方針が曖昧となっていたことに憤りを感じていたので、火だるまになりながらもゴム会社の社長を信じ行動した。

信じた結果、人事部長はじめ新事業開発室室長、新しい研究開発本部長など多くの援助者に恵まれ、住友金属工業とのJVとして事業を立ち上げることができた。そしてそれが30年つづいた。

ドラッカーは、30年経ったら事業を見直せ、と言っていたが、ゴム会社は見直しを行い、2018年に愛知県の「MARUWA」に事業譲渡している。

ゴム会社で企画した「高純度SiCの開発」の30年間を眺めてみると、経営の力を感じ取ることができる。ただし、その種を作るのは若い力であることを今一度経営者は考える必要がある。


<注>当方が転職の決断をしたのは、FD事件を研究所で隠蔽化されたからである。おそらく社長まで重大事件の全貌は伝わっていないと思う。最近は、このような隠蔽体質が引き起こす問題で社長が謝罪するシーンをよく見るが、また、財務省の忖度事件では、現在の自民党の総裁選レースにまで影響が出ており、隠蔽=大きな損失を招く、という考え方になりつつある。隠蔽を習慣化し放置すると組織は悪の巣窟となる。当方が驚いた事実は、学会賞の推薦書に虚偽を平気で書くような輩が現れたり、当方の残してきた書類等が消えていたり、と不可解な事件が起きている。組織内の悪の連鎖が問題となるのは、その証拠が社会に染み出してあふれてくるからだ。不謹慎な社員や管理職により会社の社会的信用を落とすことになる。当方は記念にいくつかあふれ出した証拠を保管している。企業活動を、ドラッカーが言っていたように、なぜ誠実真摯に行う必要があるのかは、昨今のSNSにおける告発を考察すれば容易に理解できるはずである。



カテゴリー : 一般

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2021.09/26 材料の科学と技術(4)

30年以上前にゴム会社で行われた電気粘性流体の耐久性問題では、組成と機能との関係を科学的に研究し、見事な否定証明を行い、界面活性剤では電気粘性流体の耐久性を改善できない、という結論を導き出している。


界面活性剤ではHLB値がその機能性を表していると教科書に説明されているが、これが研究をミスリードしたのだ。この否定証明の研究が完成し、添加剤が入っていないゴム開発というとんでもないテーマが企画された。


そして、そのテーマが当方に回ってきた。理由は、当時の研究所でゴムの配合研究を一人でできる担当者は当方しかいないからだという。アメリカのタイヤ会社を買収し、社内でリストラが進められた結果、コーポレートの研究所にどろくさいゴム配合の技術者が一人もいなくなっていた。


当方は、研究所へ配属されて3か月間エンジンマウント用防振ゴム配合研究を担当し、当時先端材料だった樹脂補強ゴムを開発している。1年間の予定のテーマを3か月で開発できたのは、サービス残業と過重労働の成果であるが、それができたのは指導社員が神様のごとく優秀な方だったからである。


カオス混合技術をはじめ材料技術すべての考え方をこの指導社員から伝承された。いまから思い出してみても優れた科学者であり、実務も詳しい技術者だった。


この指導社員の言葉で、「やってみなければわからないことは、やってみればよい」は、材料技術者は知っておくべき格言である。電気粘性流体の耐久性問題もこの格言が活かされた。

カテゴリー : 一般 未分類

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2021.09/25 分散発電

スマートグリッドとかマイクログリッドと呼ばれている発電方式は、電気を地産地消あるいは発電所を小型化して分散発電する方式である。太陽電池や燃料電池による発電が代表的ですでに実用化されている。


この視点に立った時に、発電しながら電気で走る車は、防災にも役立つ多目的車となる。エンジンで電気を発生してそれを動力とするぐらいなら、直接エンジンで車を走らせた方が効率が良いが、燃料を石油以外にしたときに内燃機関は効率が悪くなる。


特にレシプロエンジンは、その特性が顕著であり、回転数が頻繁に変動する用途には環境対応を考えたときに不向きである。ガソリンでかろうじて実用的な燃費となっていたのだが、水素やアンモニアを燃料とした場合に燃費が現実的な値ではなくなる。


しかし、発電機としてレシプロエンジンを使うならば、定速動作で良いので最も燃費の良いところで動作させることができる。すなわち、日産のe-Powerは、環境問題を考えたときに優れた自動車の動力方式の一つになる可能性が浮かび上がる。


最近日産自動車は、レシプロエンジンのエネルギー効率40%を超えるエンジンを開発したが、それは定速稼働を前提とした技術で、効率50%を超えることも可能と発表された。


登場した当初は、トヨタのハイブリッド車と比較されて効率の悪さが指摘されたりしたが、分散発電方式の車として見れば、様々な燃料を用いることが可能な方式としての優位性が注目されるかもしれない。

カテゴリー : 一般

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2021.09/24 国は半導体事業へ投資を

空前の半導体不足で自動車の生産も一部止まっているらしい。コロナ禍で国内の半導体工場の事故が影響している、と書いてあった記事がある。


今、何らかの高機能製品には半導体が使用されている。スピーカーさえもCPUが搭載される時代になった。身の周りの製品を探せば10点以上は半導体を用いている製品を容易に見つけることができる。


昔、半導体は産業のコメと言われた時代があった。その主食であるコメを政府は国内で製造しないという判断をしている。少なくとも現在の日本の半導体不足は国の産業政策の失敗が原因と思われる。


責任を取らないような組織の文句を書いてもしょうがないが、今産業のコメとなる半導体を自前で安定供給可能な状態にするためには1兆円規模の投資が必要となるので、民間企業が新規に進出するにはリスクが大きい。


10兆円以上の金額を書いている記事があるが、それはやや誇張だと思う。しかし、最低でも1兆円はかかる可能性が高い。現在韓国などで稼働している工場をそのまま建設するだけならば、半分以下の投資で済むかもしれないが、工場が建設された後十分な競争力があるようなプロセスとするためにお金がかかるのだ。


昔、高純度SiCの粉末について10kg/日で生産できる工場を2億4千万円で立ち上げたが、パワー半導体用SiCウェハーの工場を現在建設するならば数100億円以上かかるであろう。コメの原料部分の一部についてこれだけの費用がかかるのである。パワー半導体の最先端の生産プロセスを国内で建設する場合に数千億円は投資が必要となる。


パワー半導体はこれから伸びる領域であるが、それ以外の旧来のSi系半導体についても同額かかる。ゆえに1兆円以上の投資が必要と見積もっている。今国内にこれだけの投資をできる半導体関連事業者はいないので、どうしても国策で、となる。


日本における半導体生産に関するニュース記事に人材がいない問題も指摘されている。しかし、若い技術者はいないかもしれないが、定年退職した技術者で元気な人がいる。例えば当方もそのようなプロジェクトが立ち上がるならば参加したいと思っている。まだ若い技術者には負ける気がしていない。年寄りを活用すれば人件費を安くできる。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料

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2021.09/23 子供のコロナ後遺症

ここのところWEBニュースにコロナ後遺症関係の話題が多い。その中に子供のコロナ後遺症の深刻な問題が指摘されていた。すなわち医者が健診を行っても原因不明となる後遺症である。あるいは、子供ゆえにコロナにかかったかどうかわからず放置される例である。


コロナ後遺症ではないが、当方の子供の頃の声が出なくなった体験を基に少しお話ししたい。これも原因不明であるが精神的な要素がかなり大きかったと思っている。その時の状況や周囲の大人の対応は、今でも思い出され、当時の教師には申し訳ないが、教師によるいじめ体験として記憶に残っている。


これには、教師が仮にいじめを自覚していなかったとしても子供心にはいじめに感じられた、という注釈もつけておきたい。この時の体験はFD事件の体験同様に当方の心の傷跡として残っている。


FD事件は破壊されたFDや目撃者もいたので実際に起きた事件であるが、教師のいじめ体験は、当方の受け取り方の問題かもしれないので、声が出ない、という体験がコロナ後遺症の参考になるのではないかという自己診断である。


まず、声が出なくなった原因は子供から大人になる時の変声期が原因だった。それまで高かった声が現在の声のように低くなる過程で、自分の声の高低変化に驚いた。困ったのは音楽の時間で急に低い声が出たりした。無理して裏声を使うと変な声になり、クラスメートに笑われた。


クラスメートに笑われた程度ならよいが、音楽の先生から変な声で歌うな、と注意を繰り返し受け、最後にお前は歌を歌うな、となった。大人から「お前」と呼ばれたのは初めての経験であり、ひどく叱られた感じがした。


実際に教師はきつく当方を叱った可能性が高いが、それ以来声が出なくなった。声を出そうと思っても声が出ないのである。母親は大変びっくりして女学校の友人に電話をかけ、ご令嬢がピアノの教師を目指し音大に通っているというので夜とにかく訪問し、歌の練習をしている。


最初は声が出なかったが、ご令嬢が大変優しくしてくれて、20分ほどで少し声が出るようになり、30分もしたらピアノに合わせて裏声で歌えるようになっていた。まるで森進一のような声だったが、泉谷しげるよりはまともだった。


それから数日通い、今中国のカラオケで歌うように低い声で普通に歌えるようになった。不思議な体験である。ただ、精神的な要素が大きく肉体に影響を及ぼす恐怖を学んだので、精神的に強くなった。


精神的に強くなることは難しいことではなく、自分の強みと弱みを知ることである。自分の弱みについては、隠そうとしないことである。世の中には人の弱みにつけ込む悪い人がいるが、それに対しては強みで対応するのだ。


当方が物事に対して攻めの姿勢で対峙するのは、この体験が生きており、大抵は良い結果が出ている。すなわち、これまでの人生で組織にいた誰もできなかった難しい問題をいくつか解決してきた。


当方にはこれができたが、世の中には自分の強みを見出せない人もいる。例えば子供の場合に大人が強みを指導しない限り、弱みから抜け出せない。褒めて育てる教育が重要と言われるのは、褒めて強みを伸ばしているのだ。


さて、子供のコロナ後遺症で「すぐ疲れ」というのがあるそうだ。ひどい場合にはそれで寝込んでしまう事例も報道されていた。原因不明とされているが、これは当方の子供の頃の声が出なくなった体験と似ていると感じたので、参考までに子供のころの体験を書いてみた。


コロナとの関係であるが、現在の社会状況は子供にとってかなりの恐怖ではないだろうか。当方さえも昨年少し恐怖感があった。TVの報道などもその一因であるが、コロナウィルスの感染特性を理解できてから恐怖感は無くなった。


恐怖感は人様々であるが、自分の持っている知を越えた理解できないものに対し、好奇心あるいは恐怖心なるものが起きるらしいことを本で読んだことがある。情報と知とは異なり、誤った情報が溢れてくると整理がつかなくなり恐怖になるという。知の少ない子供にとっては、情報過多の情報化時代ではストレスが大変大きくなっていることを理解してあげないといけない。

カテゴリー : 一般

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2021.09/19 音楽を学ぶ

音楽を小学校から学んできたが、大学へ進学した時にその意味が何だったのか疑問を感じた。音楽の才能など子どものころから無いと諦めていた。中学へ進学する前に変声期となり、一時うまく声を出すことができない時があった。


原因は担任の教師から音楽の時間に歌を歌うなと言われたことがきっかけである。国語の時間に音読も困難になりかけた。人生で一番苦しかった時である。もがけばもがくほどうまく声が出せなくなる。


母親が異変に気がついて、母の知人に音大の先生がいるというので、そこでボイストレーニングを受けたところ何とか声が出るようになり、歌も歌えるようになった。


小学校の音楽の時間は散々だったが、中学高校では、普通に楽しく学ぶことができ、中学では5段階評価の5を3年間頂いた。小学校の時の教師の指導と当方とがうまくかみ合わず精神的な原因で声が出なくなっただけかもしれないが、母親の機転が無ければ音楽そのものも嫌いになっていたかもしれない。


ただ、家庭には早くから蓄音機やステレオがあったので音楽を聴く環境は整っていた。だから思春期には思春期の、大人になれば大人の音楽を楽しんではきたが、大学生の時にジャズの教則本を手にして、音楽教育に疑問を持った。


この時にジャズを真剣に勉強しておけばよかった、とこの年になって反省している。ジャズの教則本の後に読んだ本が悪かった。数冊ジャズ評論を読み続け、ブルースにのめりこんだ。なぜブルースなのかは機会があれば説明したい。今改めてジャズの教則本を読み始め、音楽の世界の形式知の進歩がジャズから始まったように思えてきた。


少なくとも50年近く前の教則本と最近のジャズの教則本では、体系が異なっている。昔はスケールからアドリブを展開する体系だったが、今はコードが中心であり、コードの各役割を教則本では詳しく説明している。


 

教則本を読んでいて、その説明を理解できるとそれが音楽の世界で普遍性を持っているように思えてきた。あらためて子供のころの音楽教育を思い出し、義務教育の音楽の指導のいい加減さにあきれている。

カテゴリー : 一般

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2021.09/18 射出成形用PET樹脂開発の勘所

押出成形あるいはブロー成形にしか用いることができなかったPET樹脂を射出成形用に改質する方法はそれほど難しくない。動的粘度の温度分散をPCと同じように揃えてやるだけで良い。


ただし、そのようにして良好な射出成形体が得られる粘度曲線を示す樹脂に変性できたとしても、成形体の物性が問題となる。すなわち、靭性が低く割れやすかったり、結晶化せずゴムのようにふにゃふにゃな成形体しか得られないことがある。


この中間の靭性とそこそこの弾性を備えた射出成形体が得られるようなコンパウンドを設計するには高度な配合技術を要求される。


すでに特許出願されている技術は、皆それを公開しているので、アカデミアで研究用に射出成形する場合にはそちらを見れば容易となる。また、いくつかの特許が年金の支払いが無いために死んでおり、それを事業に活用することができる。


当方は山形大学の発明による剪断混練技術を活用した配合を参考にしたが、特許に従ってコンパウンドを製造してもその成形体は弾性率が低く、実用性が無かった。また成形条件を変更すると、弾性率を上げることができるが、靭性が下がる問題が発生した。

そこで、タグチメソッドよりも迅速にできるデータ駆動の手法で配合設計を行い、新たな処方を見出した。その処方では、弾性率や靭性が目標を満たしただけでなく、難燃剤を添加しなくてもUL94ーV2に合格する難燃性コンパウンドができた。

カテゴリー : 一般 高分子

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2021.09/17 二審で労災認定

トヨタ社員40歳の自殺が二審で労災認定となった、というニュースが流れた。最近の自殺事件ではなく10年ほど前の事件だが、トヨタのような優良企業で自殺者というのが不釣り合いで、さらに労災かどうかで争われている。

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トヨタに限らず最近は業務上の自殺に関するニュースが多い。有名なところでは忖度で争われている財務省の事件も書類の改ざんで自殺である。

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当方がかつて勤務したゴム会社研究所は、現代の尺度でとらえるとパワハラセクハラなんでもありだったように思いだされる。当方は高純度SiCの半導体治工具事業を立ち上げたときに様々ないじめにあい、FDを壊されてそれが隠蔽化されるというのでさすがに命の危険を悟り転職している。

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FDの壊され方がすごかったが、そのような事件がおきるような職場でも12年間自殺者はいなかった。ただし、鬱を発症する人は他職場に比較して多い、といううわさがあった。また、鬱を発症すると職場異動になっていたので、それなりの労務管理がなされていたのだろう。

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また新入社員の3か月間、残業代が出ないことが分かっていても自ら過重労働を行い、樹脂補強ゴムの実用配合を開発したところ、職場異動となり、指導社員が美人の女性に代わった。そして定時に帰宅するように躾られた。

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今の尺度で考えれば、逆セクハラで、望んでもいないのに業務後に食事に誘われた。美人との食事だったので思い出として悪くはないが、当時は高分子の勉強に燃えていたので少々迷惑だった。指導社員も結婚されていたので当方のために時間を使い大変だったのだろうと当時の状況を思い出している。

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あまり望まなかった指導社員との定時後の食事以外に新入社員時代には責任を問われないので力いっぱい仕事をやれ、と研修で役員から檄を飛ばされていたが、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作を成功させたときに始末書を書かされた出来事は、明らかにわけのわからないパワハラである。

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当方が命じられてすぐに始末書を書かないので、周囲は新入社員による上司いじめと揶揄した人もいるが、命じられた成果を出したのに始末書を書け、という論理が不明だった。また工場試作の調整や決定を新入社員ができるわけでもないのに、なぜ当方が始末書を書かなければいけなかったのか理解できなかった。

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世界初の試作は成功していたのだ。ただ大きな問題点は世の中に存在しなかった世界初の化合物を当方が合成して用いていたことである。ところがこれは最初の企画説明で大変難易度の高い「研究」であることを説明していた。当方が簡単に実験を次々と成功させて半年もかからず試作レベルの技術まで仕上げたことが問題だったようだ。

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これを大した技術ではないと甘く見たのは上司の責任である。正しくは最初の3か月間の指導社員が神様のような指導をされたので当方のスキルが当時の上司のレベルを超えていただけなのだ。

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散々書く書かないで課長である主任研究員ともめた後、燃焼時のエネルギーでガラスを生成して難燃化するホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画を添付する条件で理不尽な始末書を書いている。

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高度経済成長で誰もが元気だった。当方は上司に対してまともに対応したために、一晩で企画をまとめてこいと言われて独身寮で徹夜してホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画をまとめる様な事態になったが、上司のパワハラを馬耳東風とするつわものもいた。

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職場の環境がどれだけ悪くても命を粗末にするような選択だけはするな、と言いたい。八方ふさがりとなれば転職すればよいのである。出世された人が優れた人格者ばかりであれば、GDPがいつまでも上がらないような日本の状態とはならない。

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また、池袋の親子を事故死させても自分の責任としないエリートに最近判決が出たが、あのようなエリートが少ないのであれば、今の日本はもっと良くなっているはずだが、そうではないのだ。これは、人事評価を多面評価にしても改善される問題ではない。良くない社会の責任は、エリートの責任である、と言われたエリート意識の否定も一因かもしれない。エリートはエリートの自覚とその責任を社会に果たさなければいけない。エリートとは単なる高給を約束された立場ではないのだが、そうなっているからGDPが上がらないのである。

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かつて話題になったスーパーボランティアの方のような人を単なる話題ではなく、誰もが本当に称賛するような社会とならない限り、日本は変わらないのである。偽善で成り立っている社会を描いた映画エレファントマンに感動していてはだめである。真の愛ある社会なり組織としなければ、よくはならない。ゴム会社がグローバル化する前はどこかに愛があるような幻想があった。例えば始末書でもめているときに周囲には声援を送ってくれる同僚がいた。FD事件を明らかにしたときに、周囲は沈黙した。これが12年間の組織の変化である。当方は死を選ばず転職している。それもセラミックスの専門を捨てた転職である。一応ゴム会社には忖度したので円満退社だそうである。

カテゴリー : 一般

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2021.09/15 学位論文

「リン、ホウ素及びケイ素化合物を用いた機能性材料のケミカルプロセシングとその評価」は、中部大学渡辺先生が提案してくださった論文のタイトルである。

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当初英語論文を寄せ集めまとめただけの学位論文下書きが有名国立大学の先生のご指導で出来上がっていたが、転職時のごたごたで一時学位をあきらめた。しかし、中部大学で改めて学位取得のチャンスができたので、新たに書き直すことになった。

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そのとき高純度SiCの研究論文はじめ英語で書かれた論文を日本語で書き直すように指導された。その理由は、コピペ防止である。当時から、論文は英語で書くことが推奨されていたので、大学4年の時のJACSへの投稿論文や修士論文を英語で書いていた。

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だから、学位論文を英文でまとめることに抵抗は無かったし、そのほうが簡単だったのだが、英文は英借文とよんでも良いような文章であり、中にはコピペと言われかねない文章もあった。

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ところが一度英語でまとめられたものを日本語に直す作業は簡単なようで難しい。原因は化合物名や専門用語の日本語にある。適当に日本語で訳すわけにはゆかず、翻訳のルールがある。さらに、学位論文の表題が変ったのだから大変である。

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特許のような適当な日本語では、学位論文を書けない。むしろ英語の方が簡単な理由は、専門分野には英語論文の方が多いからで、そこから英文や化合物名を引っ張てくれば、簡単にまとめられる。うっかりするとコピペになるので注意を要するが、日本語よりも英語でまとめる方が簡単だと内心思っている研究者は多いのではないか。

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日本語への書き直しや論文タイトルの変更など苦労して学位論文をまとめてよかったと思えるのは、このことがきっかけで、プロセシングの重要性に改めて気がついたことである。企業で材料の研究開発に携われば多くの人はそれに気がつくはずだが、その体系化までは考えない。

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学位論文をまとめるためには、一度それを体系化する必要があり、そのうえで自分のフィールドをまとめてゆく。安直に有名国立大学で学位を取らなくてよかった、と思えるのは、それが今飯の種になっていることである。

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ちなみに学位論文を100部印刷したが希望者が多く全部なくなった。それどころか、某出版社から出版の依頼が来たが、さすがに少し気恥ずかしく要約版の連載で承諾していただいた。

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「学位は足の裏についた米粒」(注)とよく例えられるが、当方の足の裏はいつもきれいにしていたので、その米粒を食べることができている。研究者が論文のゴーストライターのアルバイトをしていたのでは足の裏以外もけがれているだろう。

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(注)とるまで気になるが、とってみても食えない、という意味である。

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