昨日の池江選手に触発されたわけではないが、残りの人生全く新しいことにチャレンジしようとコロナ禍で時間ができたので少しずつ準備をしてきた。
友人がチェロを学ぶのに音大の学生に習ったら美人の先生で大変モラルが上がった、と言う話をしていたが、若い時ならばそれも良いが、当方の年齢で若い女性の先生に学ぶというのはやはり遠慮が出てしまう。そこで、退職前に混練の仕事を担当した時と同様に何冊かジャズギターの教則本を揃えてみた。
面白いのは、混練の教科書では、分散混合と分配混合を基本とした形式知でどの本もまとめられていたが、ジャズギターの教則本は著者により、多くの流儀が存在する。
学生の頃ギターの教則本と言えば、クラシックギターの教則本しかなかったが、今はブルースにロック、ボサノバそれぞれの分野ごとの教則本が存在し、ジャズでも多数発売されている。
ギターを初めて弾こうと思ったときに恵まれた環境だが、これだけ多いと教則本を選ぶのに苦労する。ただ、学位をまとめたりした経験から知識の体系を読み取るコツを身に着けていたので、ジャズギターの教則本が大別すると2種類あり、もう少し細分化すると3-4種類存在することを理解できた。
一番大きなくくりとして、コード解説を主体にしたものと、指板の運指を重点にした教則本である。前者はアドリブの考え方を見につけさせようとする著者の意図が見える。後者は、どのようなフレーズを弾くにしてもまず運指が基本というカルカッシの教則本とよく似た考え方だ。
それでは、その運指はカルカッシと同じかと言うと少し異なっている。あくまでもコード展開を配慮した効率の良い運指を目指しているのだが、これも著者により2-3通り存在する。面白いのは、すべてを取り入れている著者もいる。
独特なのはジョー・パスの教則本で、ここではCAGEDシステムが展開されている。ギターの指板のポジションを覚えやすいような説明でもある。とにかくどれが自分に適しているのかわからないので、とりあえず1年間これらを読んでみた。
さすがに混練の教科書を読む時と違い、読む速度が遅くなる。五線譜になると眠くなる。それで一年かかったのだが、混練の本は4冊50万円近くかかって読むのに1か月だった(そしてカオス混合を発明している。)が、ジャズギターの教則本は5冊で2万円もかからず、1年間楽しめた。ただ、ギターを弾けるようになったわけではない。
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オンキョーの上場廃止見込みとなってからの株価が現在のオーディオ業界の状態を示している。国内大衆用オーディオ機器メーカーはヤマハとDENONが残っているが、高級オーディオメーカーはそれなりに生き残っている。
一方で音工房Zのようなスピーカーメーカー3社(?)が国内に誕生している。国内のオーディオスピーカーが海外勢に駆逐(?)され、世界的なオーディオ業界不況でB&Wさえ風前の灯となった。
アナログからデジタルへの変化で銀塩フィルム会社はあっさりと富士フィルム1社となったが、オーディオ業界はゆっくりと衰退の道をたどっている。
2日前にペンタックスの新製品を取り上げているが、もしこの新製品がヒットしたならばカメラ業界は従来と異なる商品価値で新たなマーケットが形成される可能性がある。そんな期待があるのでペンタックスを取り上げた。
この欄で時々音工房Zを取り上げているのは、衰退しつつある市場でも新たな商品価値、それも20世紀では考えつかなかったような価値でベンチャー企業が生まれてきていることを知らせたいからである。
実はペンタックスの新製品にも類似点がある。それは、20世紀の市場判断では絶対に企画されなかった商品という側面をもっていることだ。
オーディオ市場はやがてとんでもない高級品と趣味の二極化となるだろう。100万円を越えるスピーカーを数万円で入手できる、という音工房Zの企業コンセプトははったりではなく、確かに比較視聴すると雑誌の付録スピーカーを使って自作したスピーカーがJBLの100万円を越えるスピーカーに負けない音を出す。
JBL以外にB&Wの超高級品も自作スピーカーと区別がつかなくなる視聴会は参加していると楽しい。手品ではないのだ。実際に自分で組み立ててみてもそうなるから驚きである。故長岡鉄男のオーディオの記事を昔楽しく読んだが、その世界が音工房Zはじめ新興スピーカーメーカーにはある。
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ようやく発売日等が決まったようだ。詳細は、リコーのサイトを見ていただきたいが、売れるだろうか、という期待がある。だろうか、と書いて期待というのも奇妙かもしれないが、単なる1ファンであり特別にCM料など頂いているわけではないので、売れてほしいとも書きにくい。
カメラ市場全体が縮小傾向で、さらにミラーレスカメラにトレンドが流れているところへ、あえて昔ながらの一眼レフの投入である。しかもニコンやキャノンのフラッグシップを凌ぐスペックである。値段もAPS-Cで28万円というとんでもない価格である。
この価格ならミラーレスフルサイズ一眼が買える。ニコンZ7の新古品も買えるかもしれない。だから、このカメラを購入する人は、かなりのペンタックスファンと断定できるだろう。
ただし、もしこのカメラが万が一にもヒットしたならば、BtoCビジネスを展開しているメーカーはヒットの原因を解析すべきだと思う。表向きのヒットする要素が不明の商品だからである。
細かいところをリコーのサイトで調べてみると、この商品の凄さとこの商品を作り出した技術者の思いを理解できるのだが、それが購入動機につながるのか当方には分からない。それゆえ、このカメラがヒットした時にヒット原因を丁寧に解析すべきだと書いている。
この商品は高くて、さらに今の一眼カメラの潮流から外れたオーバースペックの商品なので売れなかったなら、その理由は明確である。しかし、この商品がヒットしたなら、もしかしたらカメラ業界にイノベーションが起きるかもしれない、と思わせる凄味がある。
ただし、この凄味は写真マニアしか理解できないだろう。製品開発においてマーケティングが重視される時代に、常識的なマーケティング情報とは異なる面白い商品が発売された。ヒットするのか期待したい。
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1980年代の材料科学のイノベーション、セラミックスフィーバーから40年近く経ちました。今デジタル化と脱炭素社会という二極化で材料分野のイノベーションが求められています。
セラミックスフィーバーでは、セラミックス材料という明確なオブジェクトが存在し、のちにナノテクの潮流を引き起こす超微粒子化とそのプロセシング開発という明確な課題が見えていました。
今回のイノベーションでは、デジタル化と脱炭素化という二大潮流が具体的なゴールを示さないままうねりながら押し寄せており、何もしなければ、誰も見たことのない未来へ流されてしまいます。
すなわち、潮流は明確ですが具体的なオブジェクトや課題が不透明です。すでにガブリエルにより「不確実性の時代のはじまり」とか、ドラッカーの遺作「ネクストソサエティー」には「誰も見たことのない世界が始まる」とか警鐘を聴かされましたが、答えは見えてきませんでした。
弊社では電子出版というサービスで提案を行いましたが大失敗しまして10年が経過しました。改めて事業を定義しなおすとともに新たな事業を計画中です。
現代の潮流の一つに見えない課題をビッグデータを活用して具体化し、そのソリューションを提供するビジネスを生み出す流れがあります。また材料分野に限れば、マテリアルインフォマティクスというデータマイニングが行われています。
まず、この潮流に応えるためにどこでも誰でも使える多変量解析のプログラムを弊社サイトで提供させていただきます。さらに順次このプログラムを活用し、どのように新しい企画やサービスを考えたらよいのか、事例をご紹介してゆきます。ご期待ください。
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30年以上前にギブソンやマーチンと言えばギターのトップブランドで、アコースティックギターに限定すると、これ以外にギルドとかギャラガーなどアメリカブランドに続き、ヤマハ、SあるいはK-ヤイリ、モーリス、キャッツアイ、タカミネ、アリアなど日本メーカーがそれなりのブランドとして知られていた。
ところが最近のアコースティックギター市場では、テイラーがトップシェアを占めているという。このテイラーと言うギターブランドは1970年代に登場したアメリカメーカーのブランドで、ギターを可能な限り機械生産することで楽器として高い精度の製品を市場に供給してきた。
すなわち、ギターは材木を扱うのでどうしても人間の手で生産をしたほうがプロセスが簡単になる。それをテイラーはネックと胴のジョイント方法はじめ材木の裁断などギター生産プロセスを機械化しやすいようにその構造を設計しなおし、手工部分を極力削減して機械化を進めた。
店頭に並んでいるテイラー製のギターは安価な製品から高級品までどれも弾きやすく高品質である。使用している材木や装飾の違いで価格が変わるが、みかけのカタログ品質で価格を比較すると、マーチンギターよりも高く感じる。もちろん日本製ブランドの製品よりも高い。
30年以上前、ギターの構造からテイラーを二級品と評価していた記事(昔テイラーギターはモーリスより安かった)を読んだことがあるが、店頭で製品を見たときにその弾きやすさにびっくりした。必ずしもプロの評価が正しいとは限らない例だろう。
この30年間のテイラーの躍進で学ぶのは、過去の名声で築かれたブランドでも品質が悪ければ後進の高品質ブランドに負ける、ということだ。
1980年代に日本製アコースティックギターは高品質で低価格という武器で躍進したが、工芸品に近い製品を工業製品の発想で品質管理したテイラーには勝てなかった。
QCは日本のお家芸と言われた時代がある。しかし、くい打ち不正事件やそのメーカーで建てられた3階建ての品質管理のいい加減さに驚いた経験から、そろそろ日本のQCの問題を真剣に考えなければいけない、と思うようになった。
確かに昔の日本の現場はQCサークルで活性化され高品質の製品を生み出したかもしれないが、故田口先生がタグチメソッドの普及に渡米しなければいけなかった現実、そして設計段階から品質を優先したテイラーのような企業の躍進から、再度日本のQCについて考え直す時ではなないか。
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ホスファゼンは量産使用であれば2000円/kg前後である。中国で樹脂生産を行うならば、それ以下で入手可能だ。
しかし、中国でBDP類似難燃剤が400円/kgで入手できることを考慮するとリン単価として捉えたときに高価な難燃剤となる。
しかし、リン系難燃剤とホスファゼンを組み合わせて使用すれば、安価なリン系難燃剤だけで材料設計するよりも品質が高く経済的な難燃性樹脂を開発できる。
これも当方のセミナーでデータを公開しているが、タグチメソッドのSN比でホスファゼン併用系は、リン酸エステル系難燃剤単独使用よりも3dBの改善効果がある。
3dBとは1000倍である。タグチメソッドによらなくてもこの結果を確認することができ、組み合わせることにより使用量を減らすことが可能となるので、樹脂の力学物性にも好ましい効果を期待できる。
ただし、これを実際に実現しようとすると幾つか細かいノウハウを獲得する必要がある。これも当方のセミナーで公開しているが、関心のあるかたは問い合わせていただきたい。弊社からホスファゼンをご購入の方にはそのノウハウも伝授いたします。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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高分子材料を難燃化するときにホスファゼンを用いる方法として、添加型と反応型の2種類の方法がある。前者はただホスファゼンを高分子マトリックスに分散する方法である。後者はホスファゼンを官能基で修飾し、高分子マトリックスに反応させて組み込む方法である。
反応率が100%を前提にすると後者では、分子レベルで分散していることが保証される、という理由で最も分散状態が良い方法となる。
ポリウレタンの難燃化でこの仮説を確認し、その成果は欧米の学会誌に掲載されている。すなわち、ホスファゼンを反応型で用いてポリウレタンを難燃化した時に、ホスファゼンの分散状態を分子レベルで実現した難燃化効果が得られ、それは添加型でポリウレタンを難燃化するよりも少ない添加量でポリウレタンを難燃化できる、というのは形式知である。
この形式知から、ポリウレタンを難燃化するとき(例えばLOIが21以上という条件)に必要なリン原子の最低量を求めることができる。この値は、他の樹脂をリン系難燃剤で難燃化した時に、一つの基準となる。
すなわち、分子レベルで分散されたホスファゼンの難燃化効果は、ポリウレタンを難燃化するのに(例えばLOIを21以上にするために)最低限必要なリン原子濃度(A%)という見方ができる。
例えば他の樹脂にリン系化合物を添加してLOI>21を実現したいときに必要なリン系化合物の量は、A%を基準に考える事ができる。二軸混練機で分散する場合には、L/Dが小さい場合に反応型で100%の反応率を得ることが難しい。
ゆえに、大抵はAから予想される添加量よりも多く必要になる。これ以上の議論は相談していただきたいが、高分子の難燃化技術では、難燃剤の添加量をどこまで減らすことができるのかどうかは、コストと物性の観点で重要な問題となる。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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非常事態宣言が解除されて、厚労省幹部の送別会が深夜まで行われたという。そして課長が更迭された。状況を考えれば、ニュースの扱いやその後の処分は当然の結果と思われたが、ネット上には賛否両論出ている。
おそらくこれが、「現代日本」の特徴なのだろう。厚労省職員23人の深夜までの会食を擁護する意見として、誰にも迷惑をかけていない的視点がある。すなわち、23人が会食して全員がクラスターを形成した事実など無いので問題なし、とする見解である。
このような見解について論じるときに、かつて教師は聖職かどうか議論された時代を思い出す。結局今の時代は、教師も単なる労働者という社会的価値観に至り、現代の教育界の状況がある。
細かい議論はさておき、「働く」意味についてドラッカーは、「貢献」と「自己実現」にあるとした。これを認めたときに、あるいはこの視点に立ったときに、どのような職業でも一律労働者と捉えて画一的行動規範を当てはめることは難しくなる。
すなわち、職業あるいは職種により社会が求める貢献の中身及びその方向が異なるからである。そのために職業選択の自由が存在する。ある職業を選んだときに、貢献と自己実現、特に貢献の意味において、職業や職種に応じて「社会」に対して責任が生じるのである。
「働く」という意味についても多様だから、そのような責任など関係ない、という視点も出てきそうな時代であるが、もしドラッカーが定義づけた概念を否定したならば、どのような社会を人は目指せばよいのであろうか。それさえも個人の自由だ、と言い出したなら、社会という概念そのものも崩壊してゆく。
多様な価値観を認めることと社会活動にルールを決めることの両立は難しい。しかし、ルールなり社会共通の考え方を何も認めない社会では、個人の基本的人権が侵される事態が生まれても放置されることになる。
厚労省は感染拡大を防止しようとリーダーシップを発揮すべき組織であり、そのメンバーはその自覚を持つべきではないか。また、今の社会はそれを期待し早くコロナ禍を終わらせたいと願っているのである。
厚労省の職員が自覚を持ったとしてもこのコロナ禍を終わらせることはできない、という人もいるかもしれないが、何も信じることができなくなったとき、希望は消え恐怖は最大になる。なまじ知識を獲得したために人間は弱い動物となった。
だからお互いを支えあう社会を多くの人が望むのである。そのために組織が社会に作られるのだ。社会に対して責任を負う組織の存在を認めたときに、今回のニュースに否定的な見解を述べる人の考え方を理解できないのは頭が老化してきてきたためか?
ドラッカーは、異なる見解に耳を傾けよと指摘している。今回の異なる見解に耳を傾けると頭まで傾いてそのままになるのは、首の運動不足かもしれない。
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ホスファゼンは、リン系難燃剤の中で比較すると添加重量当たりで高い難燃効果を示す。当方の経験知では、赤燐よりも添加効果は高くトップに位置づけられると思っている。
ホスファゼンの高い難燃効果は、他のリン系化合物よりもリンの含有率が高いこととその分子構造にある、と推測している。間接的にそれを証明するデータを当方のセミナーでは開示し説明している。
リンの難燃化作用機構についてはその炭化促進触媒効果が有名であるが、ホスファゼンには、その作用機構だけでは説明できない効果も存在する。
燃焼時の現象を見てもそれが顕著に現れる。40年以上前に硬質ポリウレタン発泡体で実験を行っているが、燃焼時の発煙が極めて少ないのだ。
これは、赤燐も含めリン系難燃剤は、燃焼時にオルソリン酸を発生する。オルソリン酸は240-250℃に沸点が存在するので、高分子材料の燃焼後の灰を分析してもほとんどリンは検出されない。
ところが、ホスファゼンで難燃化した高分子材料では、燃焼後の灰の中に添加したホスファゼンの90%以上に相当するリン原子が残っている。
これは熱重量分析を空気中と窒素中で行って観察しても確認することができる。600℃前後の重量残存率が、ホスファゼン添加系ではホスファゼンの添加量と相関するのだ。
すなわち、ホスファゼンを難燃剤として用いたときに他のリン系難燃剤と大きく異なるのは、燃焼時に揮発することなく燃焼しているその場にとどまり炭化促進触媒として機能していることだ。
ただし、これは科学的に完璧に証明されたことではないが、当方は燃焼時のガス分析や燃焼後の残渣分析などを行い、経験知として結論を出している。
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高分子の難燃化技術は、1980年代に大きく進歩し、臭素系難燃剤などの経済的で万能薬的な処方も開発された。
三酸化アンチモンと臭素系難燃剤は経済的でどのような材料にも効果がある、という研究者まで現れたが、環境保護の機運と燃焼時に有害な煙が多量に出るという理由で2000年ごろから赤燐が注目された。
しかし、その赤燐についてハードディスクの暴走問題が発生したために、ホスファゼンが再度見直されるに至っている。これは特許動向にも現れており、近年臭素系難燃剤の特許はほとんど出願されていない。
ホスファゼンについては、耐熱性ポリマーとして注目を集め、ファイアーストーン社で耐熱ゴムとして実用化されたのが1970年代で、宇宙船に使用されている。
難燃剤としての用途開拓が進められたのも1970年代であり、難燃化しにくい繊維の難燃剤として市場に登場している。
しかし、価格が高い、と言う理由で難燃剤としてのシェアーは伸びていない。ところが、環境対応の難燃性樹脂を開発しようとしたときにホスファゼンは欠かせない。
もし、ホスファゼンを使用したい、検討したいと考えておられる方は、弊社へお問い合わせください。
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