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2012.10/03 研究開発に必要な知識と情報

研究開発に必要な知識と情報につきましては、各企業の企画業務で伝承されていると思います。しかし、専門外のファインセラミックスフィーバーが突然発生し、ファインセラミックスの企画をしなければならない状況では、おそらく外部のコンサルタントを活用するのが一般的ではないかと思います。

 

当時、ファインセラミックスを会社の事業方針に掲げた時には、日米3社のシンクタンクの情報で立案された企画に基づいておりました。市場規模はじめ綿密に調査されたレポート等それなりの金額が支払われた情報の数々は、経営が判断するに十分なデータ量でした。しかし、研究開発を実際に担当する立場では、単なる情報に過ぎず、特にセラミックスの専門家のいない会社では、具体的にどう研究開発を進めたらよいのか暗中模索の状態でした。

 

研究開発部門では某コンサルティング会社に依頼し、研究開発テーマを提案できるコンサルタント数人によるプレゼンテーションを実施したのですが、提案内容について自分たちで裏付けを取るために特許調査をしてみると、特許の観点から平凡な提案ばかりでした。画期的と思われるテーマもありましたが、アカデミアの先生のご意見を伺いますと「大嘘」の企画であることがわかりました。

 

畑違いの企業が新たな市場に参入するためには、その市場でイノベーションを起こせる画期的な技術アイデアが求められます。私が提案した高分子前駆体によるファインセラミックス事業のシナリオは、人事部の目にはとまりましたが、研究部門では、画期的ではあるがコストが高く事業性が無い、という判断が下されていました。そのような背景もあり、海外留学をやめて自分の提案した企画について研究開発の企画部門の判断が正しいのか確認するために無機材質研究所へ留学先を決めたのですが、結論としましては、日本化学会化学技術賞まで受賞し、30年経過した現在でも事業が継続する技術シーズを当時の研究開発部門で、いとも簡単にダメテーマに分類していたことになります。

 

無機材質研究所において最低限学びたかったのは、半導体材料のコスト計算を正しくできるスキルでした。すなわちイノベーションを可能とする技術ならば従来のプロセスにも革新もたらし、その結果コストダウンにつながるシナリオも描けるのではないか、と期待していました。このあたりのカンは、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームを開発したときの始末書の学習効果が生きていたと思います。しかし、そのようなことを無機材質研究所総合研究官猪股先生には申せません。人数制限など物理的制約を取り除いても、留学生として受け入れて頂けるような、見識と実力を兼ね添えた人材であると表現できるように知識と情報を短期間で身につけなければならなかったのです。

 

「高分子材料のツボ」セミナー(注)は、この時の経験を生かし、高分子材料開発を行うために必要な知識と知恵を2時間程度で身につけられる電子書籍という考え方で企画しました。

 

 

(注)クリックしますとリンク先から電子セミナーサンプルを閲覧できます。

 

サンプルはこちら(Adobe Flash Player最新版がプラグインされている必要があります)

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