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2013.02/21 弊社の問題解決法について<35>

前回説明しました問題解決法を用いまして、山中博士の実験例を考察してみます。

 

課題ではなくアクションの形式で示しますが、NHKの番組で説明されたiPS細胞発明までの手順は以下でした。

 

①    データベースを活用し二十四個の遺伝子に絞る。
(この組にiPS細胞を作る遺伝子がある。)

②    一つ一つの遺伝子を細胞に組み込む実験。

③    二十四個の遺伝子をすべて組み込む実験。

④    一つの遺伝子を抜いた二十三個の遺伝子を細胞に組み込む消去法的実験。

⑤    細胞を初期化するX個(X=4)の遺伝子の組を細胞に組み込む実験。

 

但し、テレビ番組では②と③を同時に行った、と説明されていましたが、著書には別々に行った、とも書かれていますので、ここでは著書の説明を採用し段階を追って行った実験としました。また、②から⑤は、答(あるべき姿)を①のプロセスで決めて導かれた問題において、課題をもとにとられたアクションとみなすことができます。

 

これらのアクションで答①に直接つながるのは③と⑤です。③は①の答の正しさを確認する実験になります。⑤につながるアクションは、②あるいは④です。逆向きの推論で整理してみますと、③は答えの正しさを確認するだけの役割です。③を行う代わりに④を行えばよかったのです。また、④のアクションと②のアクションを比較しますと、④のアクションは②のアクションの結果を含みますので②のアクションも不要になります。

 

再度、逆向きの推論で整理してみますと、答①→⑤→④となります。山中博士に申し訳ないのですが、彼の細胞を初期化する遺伝子発見までのプロセスは非科学的でありましたが、細胞を初期化する遺伝子発見という目的だけに絞りますと、④→⑤→答①のステップで実験を進める方法が最短であったと思います。

 

<明日へ続く>

カテゴリー : 連載

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