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2013.03/06 弊社の問題解決法について<48>

担当者の説明によりますと、ゼラチン層におけるシリカゾルとラテックスの理想的な分散状態は、それぞれがゼラチンの中でまったく凝集していない状態とのことです。ところが、ゼラチン薄膜の塗布液を製造する時に、塗布液の成分をどのような順番で添加しても、あるいは混合プロセスを工夫してもシリカゾルが凝集するのだそうです。そして、この凝集体ができる理由は科学的に説明でき、技術的にはコアシェルラテックスの技術以外では解決できない問題とのことです。

 

担当者にゼラチンの中でシリカゾルとラテックスが理想的に分散した場合の漫画を描かせてみました。ゼラチンは水溶性高分子なので水に溶けており描かれていません。ホワイトボード一面には、シリカゾルに相当する5mmほどの点とラテックスに相当する2cmほどの丸がランダムに多数描かれています。

 

筆者「この状態をプロセスで作りこむことはできませんか」

担当者「コロイド化学の教科書に書かれているように、混合した時にシリカゾルが凝集します。」

筆者「シリカゾルとラテックスを混合しないで、この状態を作れませんか。」

担当者「コア・シェルラテックスが、その状態を達成しています。」

筆者「コア・シェルラテックスは、超微粒子の周りをラテックスが覆っていますが、この図はそうではありません。この図の状態を「あるべき姿」として、混合プロセスを使わないで作る方法はないですか。」

担当者「無理です。」

筆者「ラテックスはどのように重合しますか。」

担当者「界面活性剤でミセルを作り、その中でラテックスを合成します。」

筆者「ホワイトボードの半分を消して、その様子を描いてみてください。」

担当者「こうなります。」

 

<明日へ続く>

カテゴリー : 連載

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