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2013.06/13 科学と技術(タグチメソッド8難しさ)

タグチメソッドは難しい、とよく言われる。また、タグチメソッドを統計手法と誤解している人もいる。タグチメソッドは、技術開発の一手法であって、その考え方を理解すれば難しいメソッドではない。TRIZやUSITのような時代遅れの手法とは一線を画す技術開発の手法である。TRIZやUSITは科学に忠実な問題解決手法をめざして失敗しているが、タグチメソッドは技術開発の理想をめざして考え出された手法である。

 

田口先生に直接御指導頂いた体験は貴重な財産となっている。システムの基本機能を追究することの重要性だけでなく、そもそも開発すべきシステムが正しいシステムなのかを問うことの重要性まで教えて頂いた。もっとも記憶に残っているのは誤差因子に対する考え方である。システムのロバストネスを改善するためにはノイズというものを正しく認識しなければいけない。誤差を必然誤差と考えることの重要性である。

 

直交表を使わなくても、タグチメソッドの考え方を使ってシステムを見直すだけでも開発が完了したことがある。コンパウンドの新しい混練システムでは、システムの見直しを行っただけで、問題解決できたのである。

 

コンパウンドを他社から購入していたので、混練実験ができない状況だった。技術サービスとの打ち合わせの過程で混練システムの考え方の変更をお願いした。新しいラインを入れるのではなく、混練ラインにおける原料の投入方法の改善を新しいシステムの考え方でお願いしただけである。その結果ロバストネスが向上した。

 

タグチメソッドの難しさは、問題解決しようとするシステムの捉え方にある。必ずしも目の前にあるシステムが正しいとは限らないのである。間違ったシステムの捉え方で改善を行っても大きな成果は得られない。田口先生はシステム選択は技術者の責任と言われ、それ以上のことをおっしゃらなかったが、実はこの技術者の責任遂行が一番難しい。

 

<明日へ続く>

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