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2013.12/13 肉ダンゴをふっくらさせるコツ

先日12月6日付けの産経新聞の生活欄に「肉団子をふっくらさせるコツ」というのが載っていたので、昨日おからを紹介させて頂いた。水だけを入れた場合とおからを使用した場合とでは栄養価が異なる。また、1個あたりのカロリーも新聞に紹介された方法よりおからを使用した方が下がりヘルシーな肉ダンゴとなる。歯の悪い老人食としては新聞に紹介された肉ダンゴよりも柔らかくヘルシーである。

 

今週紹介したように肉ダンゴはうまくできたが、肉ダンゴを大きくしたハンバーグになると難しさは数倍になる。すなわちおからに水分が多量に含まれているので焼き上げたときに密度が下がり、ハンバーグの食感が失われる問題と、ダンゴと異なり大きくなるので少々焼きづらく調理の難しさという新たな問題が発生した。

 

肉ダンゴの配合に近い処方でもハンバーグ形状のものはでき、味覚にうるさくない老人にはそれで十分かもしれない。ところが鍋種の場合には柔らかさをホクホク感でごまかせるが、ハンバーグは食べている間に温度が下がり、何かスポンジを食べているような食感になる。牛スジをダシにして作ったスープでおからを処理しても、この食感のために倍増した味覚が生きてこない。食感の重要性を改めて認識した。

 

ところが食感までおからを使用して制御しようとすると難易度が高くなる。現在モスバーガーレベルを目標に開発を続けているが、この開発で最も重要なのは毎週土曜日の食卓がおから料理となる家族の理解である。この2ケ月我が家の食卓は毎週おからハンバーグである。このような状態になると食感よりも味を飛躍的に向上させる技術を導入した方が良い。

 

これは研究開発と同じで、ゴールを他社並にして開発しているとそこそこの製品しかできないが、革新的な新たなコンセプトで飛躍的なイノベーションを行い、ダントツトップを狙った開発を行うと多少難有りでも商品にまとめ上げることができれば市場に受け入れられるのである。研究開発を理解していない女性議員がスーパーコンピューターの開発で「目標を2番にしたら」と発言したのは有名であるが、市場をコントロールできる立場の企業であればそのような開発でも許されるかもしれない。

 

しかし、大抵の日本企業はダントツトップを狙う研究開発をしなければ市場で生き残れない時代である。目標設定が企業の生存を左右する状態で、ほとんどの日本企業は研究開発を続けなければいけない。しかしバブル期にこれを忘れた企業も多く、なかなかバブル崩壊から立ち直れなかった。自分たちの技術を乗り越えるだけでなく、否定するぐらいのイノベーションが日々の研究開発で求められている。

 

おからで実現できた肉ダンゴをふっくらさせるコツをすてるアイデアがおからハンバーグの開発に必要だ。おからを使った場合には、おからに含まれる水分のためにどうしてもふっくらとしたハンバーグになってしまう。またハンバーグにはタマネギを入れるので水分がさらに多くなる。従来の発想を破壊するようなアイデアが無ければおからハンバーグの完成は無い。新たな気持ちで明日の夕食の処方アイデアを練っている。果たして明日家族の感動した顔を見ることができるのか。失敗した状況を考えるよりも成功したときの喜びを期待することが研究開発のコツである。

カテゴリー : 一般 連載 高分子

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