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2014.03/27 高分子材料の力学設計(2)

ポリマーアロイの材料設計になると複雑になってくる。この欄では書きにくいノウハウが存在するので相談して欲しいが、公知のポリマーアロイ以外は、高分子のブレンド結果に落胆させられる。すなわち樹脂で2種以上の未知の高分子のブレンドは、素人は行わない方が良い。

 

この分野の考え方として強相関ソフトマテリアルというのが有名である。この考え方は怪しいから使わない方が良い、という学者もいる。確かによく分からず高分子をブレンドすると狙った物性通りの材料はえられず、大抵は1+1が1以下というひどい結果にもなったりする。

 

もともと強相関材料という考え方はセラミックス分野で提唱され、教科書も出ていた。最近は見かけないので廃れてしまったのかもしれないけれど、このコンセプトは理解できれば便利である。すなわち未知のポリマーブレンドで材料の改質が可能となる。

 

セラミックス分野では相溶という現象よりも新たな結晶構造ができる面白さも有り、特にガラスなどではブレンド研究が今でも行われている。高分子ではフローリーハギンズ理論のχパラメータの制限からブレンドして良い結果が得られる高分子の組み合わせは限定的となる。

 

強相関ソフトマテリアルというコンセプトを怪しい、という人に話を聞くとこのあたりの話となり、論理的にコンセプトが否定される。ここでフローリーハギンズ理論から解放されるプロセシングができたとしたらどうなるであろうか。強相関ソフトマテリアルというコンセプトで材料設計が可能となる。

 

退職前の短時間にこの技術について実験を行い大成功の結果を得た。退職後このプロセシングの研究を進め、新たな装置を開発した。現在その装置の図面ができあがるところである。ご興味のある方は問い合わせて頂きたい。

 

 

カテゴリー : 一般 高分子

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