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2014.07/17 セラミックスの製造プロセス(1)

便器などの衛生陶器やお茶碗などはセラミックスでできている。便器のような工業製品は、その製造方法が進歩したかと思っていたが、未だにスリップキャストが使用されているという。ただしその生産方法は変わっていないが、生産性は大きく進歩したと言われている。

 

お茶碗は、かつてロクロを使い作られていた。今は、射出成形で作られている。もっとも趣味性の高い高価なお茶碗は今でも手製だが、100円ショップで販売されているお茶碗は二軸混練機で混練し、射出成形で成形されて、素焼き後絵付けし焼結プロセスでお茶碗としてできあがる。そのプロセスのほとんどがオートメーションである。

 

セラミックスの原料は陶土で、瀬戸物などは陶土がそのまま使われているという。すなわち材料費としては陶土の運賃程度であり、自動化されたプロセスによるコストダウンで100円という格安な価格でお茶碗を製造できるのだ。

 

かつてお茶碗は高かった。子供の頃は製造プロセスのほとんどが自動化されていなかったので人件費の寄与が大きかった。また絵付けも現在のようなシール方式では無く手で絵柄を書いていたので、上手下手が子供にも分かった。瀬戸物市にはその出来損ないのお茶碗が縄で束にして売られていた。価格的にはちょうど100円ショップのお茶碗のような感覚である。

 

毎年開催される瀬戸物市は、子供の頃、数少ない娯楽であった。ディズニーランドやサンリオピューロランドのようなテーマパークなどなく、さしずめ瀬戸物市は珍しいテーマパークのようなものだった。6個あるいは12個でひとまとめにされて、その束が300円や500円、良いモノは1000円で売られていた。

 

一つが10円以下というばら売りの茶碗もあった。ただしばら売りの茶碗では、同じものを家族の人数だけ揃えるのに時間がかかったが、瀬戸物市の楽しみの一つであった。ビミョーに色の違う茶碗は良い方で、同じような配色で同じ絵柄のようだが、どう見ても同じに見えない茶碗の中から可能な限り同じように見える茶碗を8個捜すのである。楽しかった。

 

カテゴリー : 連載 電気/電子材料

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