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2014.07/29 技術者の企画提案力(3)

技術者は機能を創出するのが仕事であり、その遂行により洞察力や情報収集力、論理力、仮説力、仮説検証力だけでなく、想像力やイメージ具現化力が磨かれる。ここにプレゼン力が備われれば、立派なプロの企画マンになれる。

 

ゴム会社で6年間高純度SiCの事業開発を行いながら、半導体冶工具の企画や切削工具の企画、高性能電気粘性流体の企画などありとあらゆる企画を行うのに、短い経験ではあったが技術開発経験が役だった。

 

最初は必死で取り組み、企画が認められ、テーマとして予算がつくと一息ついた。しかし半年から1年で成果を求められたので、テーマがつぶされる前にそれを中断し、新テーマの企画提案により予算を獲得した。

 

買収した会社とのシナジー効果が大きい、とされていた電気粘性流体のプロジェクトで最大の問題となっていた耐久性の改良について相談されたときには、企画書をださずにいきなりソリューションを提示した。

 

そのまま実用化できる結果だったので、さらに面白い企画は無いか、と言われ、傾斜機能粉体、微粒子分散型微粒子、コンデンサー分散型微粒子という電気粘性流体を高性能化できる3種の微粒子企画を提出した。この時からFDが壊れ始めた。

 

転職してから当方のFDを使用できないようにいたずらした人の気持ちを理解できるようになったが、当時はリストラされるのではないかと会社の中で生きてゆくのに誰もが必死であった。少しでも良い企画を提案し、予算を得て高純度SiCの事業を成功に導く、ただそれだけを考えていた。電気粘性流体の仕事を当方が担当しようということなど考えてもいなかった。

 

企画提案の一番難しいところは、根回しである。特に既存事業や既存テーマに破壊的影響力のある企画を社内で提案するときには、まず既存事業や既存テーマを担当している部門や担当者とよくすりあわせを行わなければいけない。

 

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