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2015.01/19 混練プロセス(15)

PPSを連続式混練機で混練した経験のある人は、例えばPPSという樹脂はカーボンの咬みこみが悪い、という表現をする。分散混合と分配混合の考え方でこの表現を聞いている限りでは間違いに気がつかない。

 

カオス混合プロセス装置を開発できたのは、この間違いに気がついたからだ。カオス混合装置を用いて分散したら、カーボンとPPSがうまく濡れたように分散された。換言すればKCKのような強力な剪断力を発生する混練装置を用いてもPPSにカーボンをうまく混練できなかった現象は不思議なことなのだ。

 

PPSとカーボンの混錬を経験している人は当方以外にもいるはずだが、PPSがカーボンの咬みこみの悪い樹脂という表現に疑問を持たなかったのだろうか。

 

PPSという樹脂の不思議な挙動について問い合わせていただきたいが、意外と当方の視点で考察された論文が無い。学者も気がついていないPPSの不思議な現象は混練プロセスを理解するのに良い事例である。すなわちPPSと言う樹脂を混練すると一般の混練機では練るのが難しいのである。

 

ここでPPSにはリニア型と架橋型があり、ここまでの話はリニア型についてである。架橋型についてはリニア型との比較で研究してみたいと思っているが市販されている架橋型PPSにはガラス繊維がすでにブレンドされており、材料の調達に苦労している。

カテゴリー : 高分子

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