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2015.01/28 混練プロセス(23)

上海近郊の大学で見学した混練機は怪しげな設備であったが、混錬性能をあげるためにはロータの改良が重要という主張は正しいと思った。そして押出部分とロータ部分を分けた設備を開発している点は間違っていないが、ロータの改良をしている、といいながらも見せてくれたロータの種類は少なかった。

 

ただそのすべての形状は印象に残った。モーノポンプと呼ばれる特殊なポンプに使用されているスクリューとロータを組み合わせたような形である。恐らくロータに送り機能をつけたくて考え出された構造と思われるが、通訳の説明にはそのような解説は無かった。

 

また、押出機と組み合わせているのでそこまで考えて設計していないのかもしれない。しかし、もしヤマカンであのような構造に至ったとするならば面白い、と帰国する飛行機の中で考えた。やや怪しげな先生だったが、もしかしたら混練マニアかもしれない、と思った。

 

雑談では混練技術をライフワークとして考えているとか世界中で自分ほど混練技術を研究している研究者はいない、とか連発していた。そして混練技術の教科書的な説明を数式をまじえながら説明するその姿は自信に満ち溢れていた。見える化した二軸混練機はその先生の自信作だ。

 

ただ残念だったのは高分子と混練技術の関係を質問しても答えていただけなかった点である。一応高分子が専門と自称していたが、面談で9割は混練設備の話で残り1割はナノカーボンを分散したというポリエチレンシートの話である。

 

このポリエチレンシートの話では、本当に分散が成功したのか示す証拠を見せていただけなかっただけでなく、日本の高分子学会技術賞を受賞した、粘土を高分子にナノ分散した研究のこともご存じなかった。

カテゴリー : 高分子

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