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2015.02/20 イノベーション(11)戦略1の続き

基本特許がライバル会社から公開された時に,ライバル会社と全く異なるコンセプトの技術で対抗するとイノベーションを引き起こすことができる。全く異なるコンセプトを生み出す方法の一つとして戦略1(オブジェクトの特徴となっている機能を異なる構造で実現する)は有効である。

 

ライバル会社の基本特許をそのまま真似ても特許抜けすることは難しいが、ライバル会社の技術の特徴となっている機能を真似てその実現方法を変え全く異なる構造を創りだせば、ライバル技術の模倣によりイノベーションを引き起こすことが可能である。

 

コアシェルラテックスでは、ゼラチンのマトリックスの中にシリカゾルが全く凝集しない構造になるように、シリカをコアにしてラテックスをシェルにした。これを真似てコアとシェルを逆転させると、ラテックスをコアにシリカをシェルにした構造が浮かぶ。しかしシリカをシェルにするとシリカ粒子が凝集した構造となるので靱性を上げることはできない。

 

コアシェルラテックスの一番の味噌は、シリカが凝集しないようにラテックスで被覆している機能である。シリカが凝集しないようにラテックスと共存させる機能をコアシェルラテックス以外の方法で実現できるのか、という問いが思い浮かぶ。難しいことではない。それはシリカをミセルにしてラテックスを重合すればよいだけである。

 

シリカゾルで安定なミセルを創りだし、その中でラテックスを重合すれば、シリカが凝集しないでラテックスと共存したゾルを創りだすことができ、そこへゼラチンを混ぜて塗布すればゼラチンをマトリックスとしてシリカが全く凝集していない膜を創りだすことができる。(続く)

カテゴリー : 一般

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