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2015.04/01 なぜ今科学者のデータ捏造が増えてきたのか(2)

ゴム会社のものすごく偉い部長の話は誇張ではなかった。最初の指導社員がその偉い部長のような仕事の指示をされる人だった。しかし偉い部長の話と異なっていたのは、親切に指導をしてくださった点である。そして測定値のばらつきに対しては理解があり、多少計算値とずれていても許していただけた。

 

その優しい指導社員から、偉い部長の話を伺ったところ、ここでは書きにくいもっとすごい話がいくつか飛び出しびっくりした。すごい話を少しだけ書けば、実験もやらず商品を完成させたという。そして市場で何も問題が起きなかった、と言うのだから、うそのようなものすごい話である。

 

おそらくこの話には尾ひれがついた誇張された話なのだろうけれど、この話の中に出てきた、仮説だけで商品を作り上げた作業を捏造とは呼ばないが、仮説で考えられた機能が実際に市場で問題なく動作したそうなので、市場で仮説検証の実験をやっている状態だったのだろう。

 

しかし市場に出すまでの社内の品質規程をどのように通過したのか、大きな疑問が出てくる。今話題になっている東洋ゴムの免震装置では、その物性データが捏造されて合格品として世の中に出たために大騒ぎだ。ものすごく偉い部長の場合には、商品を出すまでのどこかの課程でデータの捏造があったはずだ。

 

STAP細胞では図の切り貼りが捏造とされたが、もしSTAP細胞が実証されていたならば、評価はどのようになったのだろう。当方はそれでもデータ改ざんで捏造のたぐいに見なされたと思う。科学では真理を追究することが使命なので、その姿勢に清廉潔白さが求められている。

 

性善説どころではないのである。科学者には、研究姿勢に清廉潔白が求められており、その道から外れる行為を「してはいけない」のである。科学者はその生活も厳しく律し、真理の道をまっしぐらに進むことが要求されているのである。

 

科学者が目指すべき目標は真理であるが、技術者は新しい機能を発明し、市場に価値を提供することである。ところが、科学者が真理では無く、お金や名誉を目指すようになってきたのが昨今の風潮であり、STAP細胞の研究者の実験ノートにはちゃっかりとその目標が落書きされていた。彼女は技術者を目指せば成功したかもしれない。

 

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