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2015.05/15 問題解決(13)

(昨日からの続き)今自動車業界で元気が良いのは、トヨタとスバル以外にマツダがある。「マツダ、マツダ」と女性がささやき耳に残るCMも評判だ。そのマツダは、HV流行の兆しがあっても、既存のレシプロエンジンについて究極の省エネ技術開発を目指した。

 

その結果スカイアクティブと愛称をつけた一連の技術群からヒット商品が生み出されている。その技術の優秀さは、トヨタ自動車が、マツダとエンジン技術について提携を検討していることからも証明された。

 

マツダといえば独創のロータリーエンジンが有名である。その開発を中断し、クラシックエンジンのブラッシュアップに開発資産を集中するという意志決定で成功している。コンパクトなロータリーエンジンの特徴を生かしたHV車という魅力的な企画があっても、ディーゼルエンジンやレシプロエンジンの完成を目指した。

 

トヨタのHV技術は、1980年代のセラミックスフィーバーで開発されたガスタービンとモーターのHV技術にルーツがあり、ガスタービンエンジンのコンパクトさにモーターを組み合わせたそのアイデアは、当時のモーターショーで注目を集めた。ロータリーエンジンも同様にコンパクトなエンジンなので、ロータリーHVとして登場するかもしれない。

 

昔カローラとサニーの競争で敗れ、万年二位だった日産自動車はといえば、マツダから売れ筋のミニバンのOEM供給を受け、ベンツからはダウンサイジングターボエンジンを導入し、プリンス自動車の系統でかつてのカリスマカーであるスカイラインに搭載した。ベンツのエンジンだからブランドは魅力的だが、その性能はスバルのエンジンに及ばない。

 

その昔、スバルは日産の傘下にいたのだから、スバルからエンジンを導入してスカイラインに搭載した方が良かったのではないか。おそらく水平対向エンジンを搭載した低いボンネットのスカイラインはデザインも良くて売れたかもしれない。スバルS4に市場を食われているマークX(旧マークⅡ)の対抗車種はスカイラインだった。

 

スカイラインといえば、ケンメリ、とか箱スカ、羊の皮をかぶったオオカミ、スカG、ジャパンなどと呼ばれ、その各時代において日本を代表する名車の一つであり、日産のカンバンブランドだった。そこに他社のエンジンを積み販売するのである。自動車業界の動きを見ていると、技術開発における意志決定の重要性が見えてくる。(続く)

 

 

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