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2015.06/21 私のドラッカー(12)

科学について小学校から大学まで、そして企業に入ってもその知識を学ぶことになる。しかし、技術について、メーカー以外に学べる場所があるのか?少なくとも現在の日本の教育システムでは、技術について学校教育で学ぶ機会が無いのではと懸念している。

 

また、技術について書かれた本が科学について書かれたそれよりも少ない。問題解決法に至っては、すべてが科学的である。非科学的な問題解決法では、科学の時代において恐らく誰も買わないからかもしれない。

 

科学の便利なところは、真理が一つなので、同じ現象についての説明はどの本を読んでも、仮に表現が異なっていても、同じことが書かれている。例えばフローリーハギンズ理論の説明では、二次元格子に二つの高分子を押し込み、そのモデルで自由エネルギーを論じ、χを定義し、そのχで高分子の相分離を説明している。

 

また、科学は論理学に基づき議論を展開しているので、義務教育で学んだ数学の論理を理解していると、少なくとも10回繰り返して読めば、どのような専門領域の内容でも一通りの理解ができる仕組みになっている。わかりにくければ、論理展開について自分なりの図を書いてみれば説明を理解できる。

 

ドラッカーは、「創造する経営者」(1964)の中で、p144「知識は、本の中にはない。本の中にあるものは情報である。知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である」と述べている。高等教育を受けた技術者が科学の書籍を読み、日々の仕事で容易に成果を出すことができるのは、科学の知識が身についているからである。(明日に続く)

 

カテゴリー : 一般

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