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2015.07/25 未だ科学は発展途上(4)

昨日シームレスベルトの押出成形をコートハンガーダイで行うときにウェルドの問題が難しい、と書いたが、カーボンを分散し抵抗調整した中間転写ベルトを製造しようとしたときに、外観以外にウェルド部における抵抗変動という内部エラーの問題が極めて難しい。

 

高分子に微粒子を添加したときに生じるパーコレーション転移の問題だが、パーコレーションの現象を数学的に理解するための科学はほぼ完成している。ほぼ、と表現したのは、いまだ研究されているようだからだ。当方はどこにまだ数学の問題が残っているのか知らないが、実務の現象についてシミュレーション可能なソフトウェアーは20年以上前にLATTICE C で開発したプログラムがある。

 

時間ができたらC#で書き直したいと思っているが、なかなか時間が無い。計算が必要になったときにはPC9801を立ち上げて計算している。計算結果はLAN経由でファイルサーバーに落とし、WINDOWS8で利用するという面倒な手続きだが、使用頻度が低いのでそのままになっている。しかし、生きている間にオブジェクト指向の処理系に書き直したいと思っている。

 

科学としてパーコレーションの数学上の研究課題については不明だが、実務上は問題解決できた、と思っている。ただ微粒子とマトリックスの相互作用までを含めた物理と化学の現象については、未だ科学的に未解明の事柄が多い。実務においては勘を働かせて問題解決する以外に無い。もしこれを科学的に解決できる、という人がいたら、それはペテン師だ。

 

高分子の微粒子分散系で観察されるパーコレーションという現象を普遍の科学的解を与え、実務で生じる問題解決は、その科学知識でできる、という人がいたら是非ご紹介して欲しい。パーコレーションという現象について数学で理解されている限りにおいて確率が関係していると言われているので、パーコレーションの現場の問題を解決するには、その確率を制御する方法を示した科学が実務では必要だ。概略は科学で語ることができるが、現実はその語られたとおりにならないケースが多い。パーコレーションという現象を制御するには未だ技術者の経験とそれに裏付けられた勘が必要である。

     

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