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2015.09/28 フォルクスワーゲンの不正プログラム問題(2)

2011年ごろ表題の問題についてその社内で法律違反の恐れありという指摘(注)がされていたそうだ。
 
昨日のニュースでは、社内の指摘が何故生かされなかったのか、という疑問符で報じられていたが、先日この欄で書いたように中間管理職である組織リーダーが誤った判断をしたならば、担当者の意見など消されてしまう可能性があるのが大企業の組織活動というものであり、現在の企業の抱える共通したリスクかもしれない。
 
但し、組織リーダーは独断で決めるわけではなく、商品化の最終判断を経営陣に仰いでいるはずなので、おそらく事件の解明が進むと会社ぐるみであった、という結論になるだろう。しかし、仮に結論がそこに至ったとしても組織リーダーの判断が会社の意志になってしまう問題をリスクとして捉える必要がある。
 
経営者がコンプライアンス遵守の姿勢を厳しく取れば、そのような問題を防げるはずだ、と疑問に思われる方もいるかもしれない。しかし、組織リーダーが経営陣へ相談する時の姿勢により経営者の判断をしばしば誤った方向へ導いてしまう時がある。
 
すなわち、組織リーダーが問題をすりかえて相談したり、重要性を下げて相談した場合など経営陣は真の問題が見えなくなり、判断を間違える可能性が出てくる。当方が被害者となった騒動の時もそうであったが、異常さの概要など正しく経営陣に伝わっていなかった。この騒動では、もしそれが正しく伝わっていたならば、その後の大きなできごとを防ぐことができたかもしれないと思っている。
 
経営者が神様のように優れた人ならば、組織リーダーが判断を誤らせるような誤った問題意識で相談をしてきても、いつでも正しい問題を見出し判断を誤ることはないかもしれない。しかし多くの経営者は神ではないので誠実で真摯な組織リーダーを任命して判断を誤るような相談をされないように対応する必要がある。
 
すなわち今回のようなリスクを軽減できるかどうかは、経営者がどれだけ組織リーダーに誠実さと真摯さを求めているかにかかっている。もし日常においてゴルフやマージャンでなれ合いの関係になっていたら注意しなければいけない。
 
(注)2007年にボッシュ社は、今回のソフトウェアーを開発しフォルクスワーゲン社に手渡す時に実車に搭載するのは違法、と伝えていたという。

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