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2015.10/21 安倍首相の米ブルームバーグ本社の講演

 安倍首相は9月29日、米ブルームバーグ本社で講演し、「一にも二にも三にも、私にとって最大のチャレンジは経済、経済、経済だ」と述べたことに対する室井佑月氏の批判がYAHOOニュースに出ていた。
 
彼女の批評では、「経済、経済、経済」を「金、金、金」と捉えていた。一昔前の短絡的な意味であれば、それは正しいかもしれない。しかし、今日的な「経済」の意味には、「金」以外の要素が深く関わるようになった。
 
すなわち、現代において「経済」という言葉は、「金」という一つの因子で支配されない多因子用語だ。首相の講演内容の全文が紹介されていないので真意は不明だが、講演場所及びその対象者を考慮すると今日的な経済の意味の言葉を使っているはずであり、低次元の「金」という一因子的意味ではないだろう(もしこの推定がはずれたならば彼女が言うように恥ずかしい)。
 
故ドラッカーの言葉を借りれば、経済はもっとすごい表現になる。すなわち「社会が経済を支配するようになった」。この表現において、もう「経済=お金」ではないのである。
 
彼女の批評は、町の「おばさん」感覚的発言が多く大変わかりやすいが、その役割を活用して、「経済」の今日的意味を大衆に説明すべきだろう。経済の意味が単なる金儲けの話ではないことは、起業の今日的意味を考えれば明らかである。
 
これもドラッカーの請け売りになるが、それは「個人の能力を社会の貢献に活用できる機能を備えた組織を作ること」という意味である。20世紀末からNPOの起業が増えてきたが、これは非営利でお金儲けを目的とした組織ではなく、社会に有用なサービスを提供することにより、経済を活性化させてゆく。
 
知価社会において、知識はお金に換えることができるが、お金では買えない知識も存在することを知れば、「経済、経済、経済」がお金の連呼ではないことを理解できるのではないか。
     

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