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2016.02/16 企画を実現する(2)

STAGE-GATE法に限らずどのような開発管理手法の会社であっても、企画を実現させるために最も重要なコツは、その風土なり土壌を活かすことだと思っている。これは企画の内容によらず、その土壌、特に中間管理職を含めた担当者すべてが企画を成功させたいという思いが、あるかどうかで企画の成功確率は左右される。どんな優れた企画であっても人間関係が崩れたならば失敗を覚悟しなければいけない。
 
ゴム会社である騒動が起きたときに当方の頭をよぎったのは、高純度SiC事業の失敗である。住友金属工業とJVとして立ち上がった仕事をすべて住友金属工業に移管する、という解決策も残っていた。また、実際に契約後そのような動きもあった。
 
これは経営陣の意思と異なり、中間管理職の間で聞かれた噂話である。本来イノベーションを担当すべきコーポレートの研究所でありながら、大学顔負けの研究を指向するような風土の研究所が流行した時代であり、そのような風土では新事業など育たない。
 
当時研究所で推進されていた二次電池事業や電気粘性流体の開発の進め方を見てきて、高純度SiC事業については、絶対に成功させようという意思は強かった。その思いが研究所の風土に合わず人間関係が知らず知らずのうちに崩れていたのだ。
 
会社の仕事では、一人だけの力で企画が実現することはまれで、多くの上司、同僚、取引先の方々のバックアップや協力があって成功に結びつく。企画を成功させるためには、いつでもこのことを忘れてはいけない。ドラッカーの「貢献を中心にした思考」とは、このような人間関係に気を配ることも含まれる。そしてそれを重要視することは、企画を成功させるために最も大切な思考方法である。
  

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