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2016.04/30 26日の三菱自動車記者会見(2)

今回の三菱自動車の燃費不正事件は、軽自動車の燃費競争が激しくなってきたことに起因する。これは衆目の一致するところである。すなわち、これは製品開発の企画段階で新製品のコンセプトを決めたりするが、そこで過去に車の基本性能として重視していなかった「燃費が一番の車(仮)」ということになり、事件が起きた。
 
三菱自動車と言えば、最近販売終了になったランサーエボリューションを思い出す。スバルのWRXと同様、300馬力前後の車を300万円代で発売していた。車の基本性能である走る、曲がる、停まるという性能を極限まで高め、それを一般が購入できそうな価格でまとめた車である。
 
高性能で高価な車なら、日産自動車のGT-Rが、そしてこのエンジンをジュークに搭載したスーパージュークも欧州で登場している。いずれも0-100kmの時間が5秒前後の車である。
 
日本の一部の自動車メーカーは、走る、曲がる、止まるの自動車の基本性能を最大にしたフラッグシップ車を販売している。その車にはメーカーの技術力が集約されている。ランサーエボリューションは、自動車オタクには評判の良かった科学技術が集約された車だった。
 
しかし時代は省エネが加速し、自動車の性能は今や燃費性能が第一になった。自動車の3つの基本性能は当たり前品質で、燃費がそのメーカーの技術力を示す指針となった。いち早く取り組んだのは、トヨタとホンダであり、ハイブリッド車の比較広告騒動は有名である。
 
いまや、ハイブリッド車と言えばこの2社が有名で、カタログを見ると全車種に必ずハイブリッドエンジンのグレードが存在する。またハイブリッド車専用の車種があるのもトヨタとホンダは共通している。
 
日産自動車は、高級車にハイブリッド車を設定し、トヨタとホンダに対抗したが、市場を見れば明らかで、慌てて電気自動車に注力する戦略をとるとともに、主力SUVを中心にハイブリッド車を投入し始めた。セレナのようなマイルドハイブリッドは、まさに苦肉の策と言ってもよい車である。
 
スバルと三菱自動車は、ハイブリッド競争において蚊帳の外になった。実はこのハイブリッド競争は自動車の燃費競争だったのだが、三菱自動車は恐らくそのように捉えていなかったのだろう。消費者はハイブリッド車の普及とともに、車に求める性能の第一に燃費を見るようになっていった。
 
ただ、ハイブリッド車の燃費は、表示と実際の乖離が大きく、技術者ならば軽視する技術となる。すなわち通常のガソリン車では、表示燃費の9割程度が日常使用で観察される値に対して、ハイブリッド車は7割程度ひどいときには、6割程度と言うこともあり、ハイブリッド車はアメリカでその問題を指摘された。また、今ハイブリッド技術はガラバコス化しているとも言われるようになってきた。

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