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2016.10/11 組織は仕事の道具である(1)

組織は仕事で成果を出すための道具である、といったのは故ドラッカーである。組織を道具としてうまく使いながら知識労働者は成果をだす。だから使いにくい道具ならば使いやすいように改めなければいけない。
 
ゴム会社では、組織改正が頻繁に行われた。研究所の組織は、毎年部分的に修正された。まさに成果を出しやすいように経営者が道具を改良していたのである。入社して10月に研究所へ配属され、指導社員の指導も無視して無茶な仕事のやり方をしていた。一年計画の業務を3ケ月で仕上げてやろうと意気込んでいた。
 
実際には2ケ月半で成果が出て、耐久性のある新しい樹脂補強ゴムの配合処方が見つかった。指導社員から、新人発表まで何をするのか、と尋ねられた。そのときこの樹脂補強ゴムの研究をやります、と応えていた。
 
配合処方を見つけることはできたが、訳の分からない現象が幾つかあった。特に耐久性のあるゴムの硬度がどのように制御されているのか不思議だった。分析グループの協力もあって、樹脂相が海でゴム相が島の構造の時に耐久性のある硬度の高いゴムができることが分かっていた。そのほかの高次構造も観察されていたが、どれも耐久性の無い構造として分類された。
 
なぜうまく海島構造になるのかも不思議だった。ゴムの海の中に樹脂の島が分散する構造がもっともでき易かった。ゴム相が海になるのは、その組成比から何となく理解できたが、樹脂の添加量が少ないのに特定の配合において樹脂相が海になる現象を理解できなかった。
 
指導社員から、ゴムの弾性率を制御している因子から考察してみてはどうか、と指導された。そのとき条件として、定時に帰ることを義務づけられた。当方が遅くまで実験をやっていたことが所内で問題になっていたらしい。指導社員は、定時になると囲碁を始めるのが日課で、囲碁仲間から悪い噂をいろいろ聞いている、と説教された。
 

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