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2016.11/05 実験のやり方(3)

11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能ですが、このセミナーの内容について少し紹介する。
 
昨日否定証明の話題に触れた。プロジェクトスタート直後に否定証明を行ったのは、無駄な開発を止めようとしたのだが、結果としてやり方が悪かったといわざるをえない。根回しを十分に行えば良かったのだが、それが不足していた。根回しも問題解決法として重要である。
 
否定証明の完璧な論文として記憶にあるのは、電気粘性流体(ERF)の増粘問題を扱った社内論文である。特許も公開されているのでセミナーではこれを事例に話をする予定でいる。ただし、特許に公開された範囲内になるのでやや迫力に欠けるかもしれない。
 
社内論文の公開はできないので、特許が生まれた背景として説明する。すなわち、界面活性剤を用いてERFの増粘問題を解決できないので第三成分を用いて解決した、として説明する。第三成分といっても界面活性剤である。すなわち、先に界面活性剤で問題解決できないという否定証明があったので、人間関係を壊さないため第三成分で解決した、と説明している。
 
否定証明そのものは、多数の研究者を動員して一年かけて行われたのだが、この否定証明をひっくり返した実験は、たったの一晩行われただけである。ゆえに第三成分という言葉を使い、配慮したつもりだったが、あまりにも簡単に結果を出したので、これが後に歪みを残した。
 
問題解決できても新たな問題を生み出した事例である。企業内における実験は、単に科学的な完璧さだけに注力していてもだめで、得られた結果が周囲にも影響を与える場合には、細心の注意が必要である。
 
ゆえにアイデアの出し方、出されたアイデアが周囲に与える影響など実務では重要である。単に優れたアイデアを出せればよいわけではない。それが成果に結びつくことが大切である。そして、経営の意思決定まで影響を与えるのが本当に優れたアイデアなのだ。

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