活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2018.05/15 篠山紀信

篠山紀信氏撮影による小保方晴子氏の写真が話題になっている。篠山紀信氏がヌード写真を撮ると他の写真家とは一風変わった画像表現をするので勉強になる。

 

また、彼の料理の写真は極めてリアルであり、被写体とその表現に対して繊細な感覚の持ち主であることがわかる。その他の作品も鑑賞すると、ヌードよりも静物写真を得意とする写真家のようでもある。

 

もし彼が料理写真のテイストでヌード撮影をしたならばいやらしい写真になると思われるが、ヌードに対しては料理写真とは異なるまるで写実的な絵画のように仕上げる表現技法をクールに使っている。

 

これは被写体を徹底的に「見る」人の興味を想像しながら撮影する加納典明氏とは対極にある写真の撮り方だ。紀信氏は「観る」人に被写体を「感じさせる」写真表現をする。このことから、写真技術も写真家として極めて芸術性が高いと思っている。

 

例えば30年ほど前の写真集「サンタフェ」はそのラファエロの絵画のような分かりやすい美しさで驚異的なベストセラーとなった。被写体がヌードであることをその必然と感じさせ、被写体のすべてが映っていてもそれが自然であると感じさせた。

 

さらになんの加工も施されていなかった写真は、写実を極めた美しさゆえに男性だけでなく女性も鑑賞した。その後、社会現象のように玉石混交状態で同種の写真集が書店に氾濫した。

 

また、最初週刊誌で紹介されたが、リンゴを正面で抱えた少女の写真は、ヌードではあるがヌードを感じさない不思議な表現で少女の内面を想像させた。その後販売されたポスターもベストセラーになり、40年以上前の写真でありながら今でも稀に街で見かける。

 

さて、話題になっている小保方氏の写真がどのようなものかは、まだ週刊誌を読んでいないので知らないが、ネットにおける評判は「美しい」女性写真だそうだ。

 

ただ、残念ながらその写真表現よりも彼女のメンタル面の強さが話題になっている。この写真に関する話題を読む限り被写体の「変貌ぶり」が中心なので「サンタフェ」のような写真ではないようだ。

 

どのような写真なのか写真を見たくなるような情報はなく、とにかく話題になっている。これではせっかく撮影した篠山紀信氏がかわいそうだ。写真そのものも公開してほしい。

 

確かにあれだけの事件の渦中の人物となり、おそらくiPS細胞が話題になっている間は、語り継がれるかもしれない状態で、マスコミに登場できるメンタルの強さは不倫してもそれを跳ね返す女性政治家と同じだろう。

 

ただ、自叙伝を読んで理解できたのは、彼女は彼女が意識的に悪事を働いたのではなく科学というものに対する無知と未熟さゆえの悪事となったことだ。これは学位論文の重要な部分を他の研究者の論文をそのままコピペした、科学者として失格の彼女をあたかもその分野のエリートに仕立て上げたアカデミアも彼女以上に責任を負わなければいけない。このことについては長くなるので後日再度取り上げる。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー : 一般

pagetop