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2019.02/23 PPSと6ナイロンの相溶技術(6)

ゴミベルトが15kgほど集まったところでそれをハサミで切り刻み粉砕しコンパウンド代わりにベルト生産を行ったところ、歩留まりが一気に80%を超えた。

 

歩留まりが悪いので廃材リサイクルのテーマが以前から上がっていたが、それの見通しが立った、と部下の課長は喜んで今後のテーマについて話してくれた。その話をひっくり返すようで申し訳ないが、ベルトの製造ラインを使ってコンパウンドを生産しようと思う、と話したら、冗談でしょうとなった。

 

さらに、コンパウンドメーカーにお願いし、ここで使っている金型を混練機に取り付けてコンパウンド生産をしてもらおうと思っている、と続けたら、コンパウンドメーカーは承知しないでしょう、という回答が課長から返ってきた。

 

コンパウンドメーカーの担当者は承知しないだけでなかった。実際にコンパウンドメーカーとの打ち合わせの席でその話を出したら、コンパウンドメーカーの技術者から、素人は黙っとれ、と言われたのだ。

 

仕方がないので、自分でコンパウンド工場を立ち上げてコンパウンドを内製化しようと考えたら、部下の課長から、このテーマは外部からコンパウンドを購入して進めるようにDRで決まっている、とアドバイスがあった。

 

課長は真面目な人間で、堅実な仕事の進め方をしていた。歩留まり10%以下で、リサイクルコンパウンドを使えば、コストダウンが可能だという。しかしPIを用いたときよりもそれは少し改善できる程度だった。

 

彼は、それでも大きな進歩だという。量産開始までの残された時間を考慮すると、コンパウンドの生産など経験のない企業では内製化という判断は非常識だった。しかし、歩留まり10%以下の状態で量産を開始するというのも情けない。

 

リサイクルコンパウンドで歩留まりが80%を超えるならば、それを内製化コンパウンドにする考え方もある。コンパウンドメーカーが押出金型を二軸混練機に取り付けるのを拒否するのであれば、自分たちでそのようなラインを立ち上げれば問題解決できる。(続く)

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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